ヘッドの着脱がしやすい「スムーズフィット」搭載
「Dyson V8 Fluffy」は、ロールケーキのようなローラーがハマっている「ソフトローラークリーナーヘッド」搭載モデル。その他に同梱されているノズルは、ブラシの出し入れができ汎用性が高い「コンビネーションノズル」、細いところに入り込む「隙間ノズル」、ナイロンブラシが回転し布団やソファなどで使いやすい「ミニモーターヘッド」の3つ。これらを使えば、家の隅々までしっかりカバーできます。
従来のモデルにも同様のノズルがありますが、今まで本体と同色のグレイだった着脱ボタンが赤になり、どこを押せば良いかが直感的に分かり操作しやすくなりました。しかし、変わったのは見た目だけではありません。接続部はワンプッシュでノズルが外れ、片手で簡単に操作できる「スムーズフィット」に進化。今までのモデルと互換性がないのは残念ですが、ぐっと使いやすくなりました。
高音域の作動音が減り、運転音50%低減!
スイッチを入れて最初に感じたのは、運転音が静かになったということ! 説明会では、内部の風路設計を改良することで、前モデルのV6より約50%も低減したと説明していました。実際に聴き比べてみるとダイソン独特の“キーーーン”とした高音があまり感じられなくなり、本当に静かになっています。日常のシーンに例えると、掃除機をかけていても会話ができるレベル。これなら、朝や夜でも短時間なら使えそうです。
床材に合わせて選べる2つのヘッド
まずは、手元モーターを採用している理由について、簡単に復習しておきましょう。例えば、掃除をしていると、敷居などちょっとした段差でヘッドを持ち上げる必要があります。また、敷物の端がめくれたり吸い付いたりした時などもヘッドを持ち上げなくてはなりません。そんな時、先端が軽い構造なら、力を入れずにヘッドをサッと持ち上げることができます。また、家具下やテレビの裏など狭いところや、カーテンレールなど高いところを掃除する時も、先端が細く軽ければ、楽に掃除をすることができるのです。実際に掃除をしていると、その優位性が実感できるシーンが多々あるため、筆者はこのスタイルがお気に入りです。
またFluffyは、大きなゴミも微細なホコリもワンストロークですっきり吸い取れる「ソフトローラークリーナーヘッド」が特徴です。ソフトローラーが床に密着し、微細なホコリをしっかり吸い取ってくれるので、フローリングなどハードフロアに向いています。
一方、カーペットはやや苦手。繊維同士の抵抗があるため、動きが鈍くなってしまいがちです。そのため、V8シリーズには、固いナイロンブラシとソフトなカーボンファイバーブラが螺旋状に配されている「ダイレクトドライブクリーナー」搭載モデルもあります。前モデルより40%以上パワーがアップしたモーターを搭載し、カーペットの中に入り込んだホコリをしっかり掻き出します。ペットがいるご家庭などにもオススメです。
V8シリーズは、「Dyson V8 Fluffy」(8万2944円)のほか、同梱されているノズルが3種類多い「Dyson V8 Fluffy+」(9万3744円)、カーペットが得意なダイレクトドライブクリーナーヘッドの「Dyson V8 Animalpro」(9万3744円)があります。自宅の床材と相性の良いヘッドを選んで下さい。また、ソフトローラークリーナーヘッドとダイレクトドライブクリーナーヘッド両方が同梱されている「Dyson V8 Absolute」(10万4544円)もあります。迷うならコチラを買うのがベストでしょう!
最長40分の連続使用で隅々まで掃除できる
バッテリー性能も向上しています。通常モードで最長40分間の運転ができるようになったとのこと。ということで、実際に我が家で時間を計りながら掃除をしてみました。標準モードで掃除を開始すると、約50分経でバッテリーが終了。時々スイッチをオフにする瞬間はありましたが、基本ずっと掃除機を使っていた時間です。内訳は、90平米の広さを約40分で掃除、残り10分で空気清浄機のプレフィルターを3台とテレビ裏などを掃除することができました。これなら、本当にこれ一台で家中の掃除がキチンとできます。ちなみに、強モードだと約10分間。短いと感じるかもしれませんが、日常の掃除であれば標準モードで十分だったので、心配は無用です。標準モードと強モードの切り替えは、本体上部のスライドスイッチで切り替えができます。今までの本体後頭部にあった押しボタン式より、運転中でもモードがわかりやすくなりました。
また、バッテリー残量が3つのランプで表示されるようになりました。ランプが1つになったら、そろそろ電池が切れると分かるので、心構えができます。また充電中はランプが点灯し、完了するとランプが消えるので、充電されているか否かもすぐにわかり便利になりました!
目からウロコの新発想で、ゴミ捨てが劇的進化!
今回、最大の進化とも言えるのは「ゴミ捨て」です! クリアビン(ダストカップ)に溜まったホコリを取り出す方法が大きく変わりました。今までは、レバーを押し下げるとクリアビンの底がパカッと開く仕組みでした。しかし、クリアビンの中にあるサイクロンのメッシュ部分(シュラウド)にホコリが絡まり、底が開いてもなかなか降りてこないため、指でひっぱり出す必要がありました。筆者はコレがダイソン最大の弱点だと思っていたほどです。
しかし!! 新モデルでは、サイクロン部分を上に引っ張る仕組みに変更。サイクロン部分が上に引き出されると同時に、メッシュ部分(シュラウド)の周囲にあるゴム製のスクレイパーが、絡んだホコリをこそぎ落としてくれるのです。
実際にゴミ捨てをしてみると、クリアビンの中に溜まっているホコリが嘘のようにポトンと落下・・・さらに、何度か繰り返すことで、サイクロン部分に溜まる小麦粉のような細かなホコリも、ポロポロと落ちてきます。本当に、目からウロコの新発想です! 今までの不満は、これで一気に解消されたと言っても過言ではありません。ダストカップ容量も35%アップしているので、埃を溜めてしまいがちな筆者には嬉しい進化でした。
安定の集じん力
最後に、集じんの成果をご紹介しておきましょう。今回50分の掃除で取れたホコリが以下の写真です。歴代のダイソンもよくホコリを取ってくれていたので、不満はありませんでしたが、さらに満足の結果となりました。
細かな不満解消でダイソンの底力を実感
今回の新製品、弱点と言われていた「音の大きさ」と「ゴミ捨てのストレス」を解消したのは、実にお見事! また、長時間の連続使用ができるようになり使いやすさが格段に向上しています。見た目の変化はありまないのに劇的な進化をしていたダイソン、改めてその底力を実感しました。
残る不満は、収納方法でしょうか。ダイソンは手元にモーターがあるため、自立しません。「収納用ブラケット」が同梱されていますが、釘で取り付けるため、壁や柱傷をつけたくないと思う日本人にとっては悩ましいところ。いつか、あっと驚くアイディアで、この不満も解決してくれることを期待したいと思います!
(取材・文/戸井田園子)
大手プレハブメーカーでインテリアコーディネートを担当。インテリア研究所を経て商品企画部へ。性能・デザイン・価格などをトータルに比較し、商品の優劣を見極める経験を積み、フリーに。インテリア&家電コーディネーターとして、AllAboutはじめ、新聞・雑誌などで情報発信中。
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