【オトナの社会科見学】未来のホンダ車を生む最新工場へ行ってみた

寄居工場が含まれる埼玉製作所は、3つの施設から構成されます。

約50年の歴史を持つ狭山完成車工場、エンジン専業の小川工場、そして、寄居工場です。狭山工場では「アコード」「オデッセイ」「ステップワゴン」といった比較的大きなモデルを生産し、寄居工場では「フィット」「ヴェゼル」「グレイス」「シャトル」といった小型車が、以前、担当していた狭山工場から移管され、生産されています。

寄居工場は、東京ドーム約20個分にあたる約95万㎡の敷地を持ちます。そのうち、生産施設(約22.3㎡)より、緑地面積(約32.6万㎡)の方が広いという、緑豊かな工場です。緑地保全のほか、野生動物の通り道まで配慮したビオトープ(生物空間)、調整池などが設けられ、環境に配慮されます。施設内のソーラーパネルで2.6メガワット分の発電をしていることも、自慢のひとつです。

生産施設は、プレス溶接棟、塗装棟、プラスティック棟、それらから流れてきたパーツを最終的に組み立てる組立・検査棟と、大きく4つのセクションに分かれます。従業員数は約2200人。年25万台、1日当たり1050台が2直交代で送り出されています。

最新の寄居完成車工場は、早く、安く、低炭素でクルマを作ることを目指し、実現する“マザー工場”と位置づけられます。ここで開発され、実証された生産施設やノウハウが、世界中のホンダ工場に移植されるのです。

 ■世界の工場の基盤となるマザー工場

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