15時のスタートへ向けて、徐々に盛り上がっていくサーキット。前座レースが終わるとピットウォークが始まります。レース車両を間近で見るチャンスに、待ちこがれたレースファン達でピットレーンが埋まります。ピットウォークが終わると、全てのマシンは予選順に、ホームストレートに斜めに整列します。これはル・マンの伝統で、かつてはマシンの反対側にドライバーたちが並び、スタートの合図と同時にマシンへ駆け寄り、乗り込んでエンジンをかけて走り出しました。“ル・マン式スタート”という名で有名です。現在はドライバーたちが走ることはなく、マシンに乗ったまま待機し、合図とともにオープニングラップへと走り出すことになります。
木曜日までの3回の予選で、日本のトヨタは小林可夢偉/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ組の6号車が3位、中島一貴/アンソニー・デヴィッドソン/セバスティアン・ブエミ組の5号車が4位でした。日本のモータースポーツファンにとっては、F1でも活躍した日本のトップドライバー2人が参戦するのは、今年のル・マンとWECの楽しみでもあります。ル・マンの予選こそ天気も関係してポルシェにフロントローをゆずりましたが、走行のペースは申し分なく、スタートが近付くにつれ好成績の期待が高まります。
豪雨の中のスタート、熾烈なトップ争いから10時間経過...
グリッドにマシンが並び、セレモニーが始まると、空から雨粒が落ち始めました。スタート直前には嵐のような強い雨に。特にコースの反対側は水量が危険なほどで、セーフティカーの先導によるレース開始となりました。
結局8周をセーフティカーの先導で消化したところから、グリーンフラッグでレース開始。ポルシェ、トヨタ、アウディの6台がレースをリードします。それぞれのタイムは拮抗しており、タイヤ交換や給油のためのピットインのタイミングで順位もどんどん入れ替わります。まだまだ先は長いとはいえ、一喜一憂する時間が続きます。
そして今回のル・マンで、もうひとつ注目を集めるのが、およそ50年前にここル・マンで激闘を繰り広げたフォードとフェラーリの戦い。今年フォードが復帰したことで再び実現した直接対決は、どちらも互いに劣らぬ性能で激闘が繰り広げられています。
現在、この原稿執筆時でスタートから10時間が経過。トップ争いはポルシェとアウディが1台ずつ脱落し、いまは1位トヨタ、2位ポルシェ、3位トヨタ、4位アウディの順で周回を重ねています。今のところ日本のトヨタに有利なレース展開ですが、これは耐久レース。いつ何があるかわかりません。あと14時間、まったく目が離せません。
ル・マンのダイジェストが楽しめるToyota Gazoo RacingのLINE LIVEの視聴方法はこちら >> http://toyotagazooracing.com/jp/wec/special/2016/line-live-lemans.html
(文・写真/GoodsPress編集部 取材協力/トヨタ自動車)
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