ambieのイヤーカフ型完全ワイヤレスは抜群の快適さ!気になる音質と音漏れをチェック

■音漏れはしない訳でもなさそう

構造が特徴的なambie「sound earcuffs AM-TW01」。ambieによるイヤーカフ型のイヤホンは、2017年に有線タイプ、2018年にはワイヤレスのネックバンド型が登場し、待望の完全ワイヤレス化となりました。

装着方法も普通のイヤホンと違います。イヤーカフと呼ばれる形で、耳の下ではなく、横に挟み込むように装着。これは正直“慣れ”も必要なのですが、片手で耳たぶを下に引っ張りつつ、逆の手で「sound earcuffs AM-TW01」を耳の縁を挟み込んで装着。難しそうに感じますが、完成形をイメージすれば初めてでもさほど苦もなく装着できます。

イヤホン前後が丸みを帯びた形になっていて、しっかり耳を挟むので、下にずれることもないし、落ちる心配もありません。ちなみに、イヤーピース等もなくワンサイズです。

使い方は一般的な完全ワイヤレスイヤホンと同じ。後ろ側にあたる球状部分に物理ボタンが付いていて、音楽の再生/停止、曲送り/曲戻し、音量調整などひと通りの操作ができます。

ワイヤレスはBluetooth 5.2準拠で、SBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveコーデックに対応。連続再生時間は6時間で充電ケース併用で18時間。ケースから取り出すとすぐにペアリングモードになります。ちなみに今回はiPhoneとペアリングして検証しています。

音としては、装着しているイヤーカフよりやや外の位置から、軽快なサウンドで音楽を聴けるイヤホンといったところ。重低音をズンズン聞かせる最近のイヤホンとはタイプが異なります。

まずiPhoneとペアリングして、宇多田ヒカル『あなた』からリスニング。女性ボーカルの高めの声はクリアでバンドやオーケストラの演奏はふわっと広がっているけど、情報量として弱め。低音もちゃんと音楽として存在は分かるけど、軽い聞こえ方です。

BrunoMarsの『24K Magic』を聴いても、低音の迫力としては正直言ってありません。耳穴に密着しない構造から想像できるサウンド。本格的にいい音とは呼べないけど、BGM的な聞こえ方と割り切るならよくできたサウンドです。

やはり最大の特長は、音楽を聴きながら周囲の音も聞けること。これは全くそのとおりで、耳元で音楽が流れつつ同時に周囲の音もナチュラルに飛び込んできます。デジタル処理ではない聞こえ方なので、自然さと実用度は最高。逆に遮音性はゼロなわけで、電車内ではノイズキャンセルとは正反対に、騒音もストレートに飛び込んできます。

そして気になるのは”音漏れ”。そもそもの大前提としてambie「sound earcuffs AM-TW01」は遮音していません。だから、言うまでもなく音漏れはします! 問題は、どのくらい音量まで大丈夫か。

まず室内で音楽を聴きつつ人を呼んで確かめてみると、僕が普段イヤホンで音楽を聞くレベルに近いiPhoneの音量12では「漏れてる」と即答。音量を少しすず下げて確認していくと、すぐ横の位置で音漏れを気にせず聞けるのは音量5か6程度とかなり小さめです。

電車内では、周囲への音漏れを気にせず音楽を聞けるのはiPhoneの音量7くらい。音量7はやはり感覚的には小さめで、走行中の電車の音や車内アナウンスの方が音楽よりずっと大きく聞こえます。それだけ人って音漏れに敏感なんです…。通勤通学時にしっかり音楽を聞く目的として物足りませんね。

音楽リスニング用というよりBGM用となるであろうambie「sound earcuffs AM-TW01」ですが…生活のさまざまなシーンで使ってみると、実はかなり気に入りました。一番の理由は、イヤホンと違って耳を塞がないので、装着している事を完全に忘れるくらいにラクなこと。完全ワイヤレスイヤホンだから、スマホ置きっぱなしで動き回れる点も便利です。

PCに向かっている時でも、宅急便のインターホンや、一緒に暮らすペットがいたずらをする物音がまったく聞こえないのも困るんですよね。音漏れもPCスピーカーで音楽を流すのと比べたらずっと小さい訳で、家の中ならまったく気になりません。

ビデオ会議用のイヤホンとしても優秀。MacBook Airと接続してZoomで使ってみると、ちょうど人の声の帯域である中高域がクリアなので相手のしゃべる声もハッキリ聞こえます。ちなみに通話マイクは高感度で、人の声も周囲の音もお構いなしに拾うタイプ。好き嫌いはありますが、情報多めのマイク付きであることは間違いないです。

それから、予想外に相性が良かったのがiPadとの組み合わせ。イヤホンほど聞こえる位置が近くならず、映像と合わせると空間の広がりを感じられます。アクション映画の低音は物足りませんけど、そこは好み次第。

*  *  *

周囲の音がそのまま聞こえる、装着していてストレスがないなど、唯一無二の機能が持ち味のambie「sound earcuffs AM-TW01」。一日中でも着けていられるラクさが欲しいなら検討すべき完全ワイヤレスイヤホンではないでしょうか。

>> ambie

 

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長

 

【関連記事】

◆音にスペック全振りならではの超高音質!AVIOT「TE-BD21j-ltd」は音重視派にはコスパ最強かも
◆衝撃のノイキャン性能!さらにLDAC対応!テクニクス「EAH-AZ60」は死角なしの完成度
◆フタなしケースの「JBL Wave100 TWS」はイヤホンが落ちないのか!? いろいろ試してみた

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする