■マニアックな趣味みたいなもんです
まずポイントとなるのがサイズ。
電気ケトルの容量約800mlに対し、カリタのポットは700ml。数字上は大した違いではないのですが、手にするとかなり小さく感じます。
持ち手が近いことと高さの違いから、持った時に手との一体感があります。なんじゃそれ?ですよね。でも思ったようなスピードや量でお湯を落としたい場合、この一体感は重要なんです。
そして注ぎ口にも違いがあります。
先端部分の断面積とカタチが異なります。この先端に加えて、付け根が太くなっている(並べた写真参照)ことにより、多くのお湯を一気に出せるんです。
写真では伝わりづらいですが、勢いは段違い。
以前は「ドリップって細~く落とせばいいんじゃないの」と思ってました。でも、ドバッとお湯を注いでコーヒーの粉を浸すようにしたり、勢い良くお湯を当てて粉を撹拌させたりと、お湯の淹れ方を変えると同じ豆でも味が変わってくるんです。それをやりたくなっちゃったんです。
この1カ月はさまざまな豆を使って、温度、挽き目の粗さ、淹れ方を変えて試しているんですが、なんだか楽しいんですよ。いつも同じ味わいになるよう淹れていた頃とは違った楽しさがある。自分でもマニアックだと思いますが、まぁ趣味みたいなもんですから(笑)。
■面倒を面倒と感じなくなったのかも
とはいえ、当然ながら手間は増えました。
銅製なので火にかけられますが、底面が小さいので時間はかかります。なので、お湯はやかんで沸かすようになりました。
温度も、ポットと一緒に購入した温度計で計るようになりました。でもこれは、より正確に計れるようになったからいいかな。
そしてもちろん、ドリップは工夫ができるようになりました。
細く落とすこともできるし、
ドバッと注ぐことだってできる。
使い始めの頃はうまくコントロールができず、あわあわすることがよくありましたが、毎日使っているうちに徐々に「このぐらい傾ければこのぐらいお湯が出る」といったことを体が覚えてきました。
まだまだ思ったような味にならないことも多いのですが、それもまた楽しい。朝の一杯、在宅勤務の合間の一杯、仕事が終わったあとの一杯、今度はどんな味わいにしようかなと考えながら豆を挽き、お湯を温度を考えて、淹れ方を変えてみる。誰に淹れるわけでもなく自分が飲むためのコーヒーですが、日常のルーティーンを趣味にすると、これが案外楽しいんですよ。
* * *
使いはじめてまだたったの1カ月。相棒と呼べるほどにはなっていませんが、銅製だから大事に使えばこれから先10年でも20年でも使い続けられます。
コーヒーは毎日飲むだろうから、そのたびにこのポットを使っていれば、きっとそのうち体が覚えてくれるはず。
そうやって道具を育てていくのも趣味の醍醐味だよね、と思ってます。普通に考えれば高価かもしれないけれど、今は手にするたびに幸せな気持ちになれるから、買って良かったことは間違いない。でも、毎回思い描いた味わいのおいしいコーヒーを淹れるというゴールははてしなく遠そうです(笑)。
<文/円道秀和(&GP)>
Cuケトル700
重量●580g
容量●700ml
サイズ●190×115×175mm
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