雨の日でも軍幕キャンプを楽しむ軍幕の張り方と快適に過ごすためのひと工夫

■軍幕って雨でも問題ない?

▲東ドイツ軍幕2枚張りで、床が水たまりになるくらいの雨が降っていた朝の軍幕の様子

軍幕キャンプを始めたい方でためらっている理由のひとつに、雨でも大丈夫なのか?という点があるのではないでしょうか。

結論からいいますと、ある程度の雨であれば普通にしのげます。

「ある程度」がどれくらいかというと、1時間に数mm程度の雨で、キャンプ場の地面に大きな水溜りができないくらいの雨であれば大丈夫です。

張り方や工夫次第では、台風レベルの雨でも可能なのですが、その場合はフルクローズになるような幕、正方形の軍幕であれば4枚必要で、パップテント型であれば2枚、ティピー型であれば2枚あれば、ほとんどの雨はしのげます。

ただ、軍幕には、グランドシートがなく、グランドシートと幕が連結してないので、浸水被害が最も多いのは地面なのです。なので、雨の日はコットで寝るとか、水溜りが絶対にできない地形を選んで設営する。などの工夫は必要です。

また、幕自体はほとんどがUSEDなので、状態によっても大きく変わります。新品に限りなく近い状態の幕であれば結構な雨でも大丈夫です。また耐水圧を超えてくると、多少の浸水はしてきますが、地面に近い部分に水が落ちてくるので、幕の天井から水がポタポタと垂れてくる、というよりは、ペグダウンしている付近がびちょびちょになっている、と言う状態になります。

従って、大雨の中、軍幕でキャンプしたい人は、地面に水溜りができにくい地形を選ぶ、コットで寝る、寝袋カバーなどで万が一浸水しても寝袋が濡れないように工夫をするといった工夫をすれば、大丈夫です。

■雨の日の軍幕の張り方

今回はフルクローズにできない枚数、形状の簡単な幕の張り方を紹介します。

USパップテントや、ポーランド軍幕のようにフルクローズになる幕は状態が悪くなければ、普通に張れば雨の日でも寝れます。

今回使った幕は東ドイツ軍の正方形幕ですが、旧ソ連軍のパラトカという幕や、ルーマニア軍、イタリア軍などの正方形幕であれば応用できる張り方です。ちなみに正方形幕でも4枚使えばフルクローズになるのですが、今回は2枚で雨を避けられる張り方を紹介します。

【ステップ1】タープ代わりになる雨避けの幕を張る

4mくらいの長さのロープで、地面(左)と立木を結びます。その時、約40から45度くらいにロープの角度がなるように結べるといいです。

そのロープに、プルージック・ノットで幕を写真のように固定します。プルージック・ノットの結び方は、こちらの記事をご参照ください。

プルージック・ノットで、幕とロープを固定します。

【ステップ2】居住するための幕を張る

正方形の角を、ステップ1で張ったロープにプルージック・ノットで固定し、反対側をペグダウンする。

先ほどステップ1で張ったのは雨避けのタープの役割の幕なのですが、ステップ2で張る幕は、居住空間用になります。

上の写真のように左角を地面に、右角をロープに固定します。

先ほど、ロープに固定した角と、ペグダウンした角以外の角をペグダウンします。それだけで、居住空間の幕は完成です。

【ステップ3】雨避けの幕を固定する

ステップ1でロープに固定してない2つの角をそれぞれペグダウンします。

上記の写真のように、ステップ1で張った張り縄にプルージック・ノットで固定してない四隅のうちの2つの角をトラッカーズ・ヒッチでペグダウンします。

トラッカーズ・ヒッチの結び方はこちらを参照してください。

これで完成です。

ちなみに、雨避け用の幕を最後に固定したのは、ステップ2で張った、居住用の幕に対して微調整をするため。張り縄上であれば自由に動かせるプルージック・ノットにすることで、張りの調整が可能になります。

【次ページ】軍幕を雨の日に使うためのひと工夫

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