■ケースと一緒に使うことで活きるツール
中央が大きく空いたロ型のプレートに14種のツールが付いています。プレートはCNCで加工されたハイカーボンステンレス鋼。熱処理が施された耐食性に優れた素材です。
一見すると抜きで作られたただのプレートツールのようですが、フレームとの適合性が非常に良好。各部のエッジが抜きで作られる安価なプレートツールとは一味違った感じです。このツールはウォレットから外しても使えますが、その真骨頂は財布に入れたまま使える点です。
そしてプレートタイプのマルチツールを使用する場合、少なからず感じるのが「握っていると手が痛い問題」。グローブや軍手をしていれば問題ありませんが、素手だと少しストレスを感じます。それをこのツールは解決しています。
プレートツールの両サイドに注目。左右にそれぞれ2つの小さな突起があります。これは、財布のフレームに設けられた溝に嵌めて固定するための突起で、プレートツールを財布の内側にスライドさせ、カバーをめくると財布自体がハンドルになるというユニークなものです。
フレーム1段目のロックポイントまでツールをスライドさせると、ナイフやのこぎりが使えて、2段目のロックポイントまでスライドさせると、中に指を通してしっかりと握れます。
もちろん、プレートツールを逆方向に挿せば反対側のツールを使えるように。プレート型のマルチツールはどうしても力が掛けにくく使い難いと感じる人は多いのではないでしょうか? 単に「カードサイズです」的な物ではなく、ケースと共に使うことで立派なツールとして使えるようになっています。
▼レンチ
プレートツールでは最もポピュラーなレンチには、比較的よく使われていそうな、そしてプレートツールで開け締めができるサイズのボルトに対応した1/4インチ、10mm、15mmが採用されています。
▼ナイフ的なもの
ナイフと表現すると紙などをスパッと切れるものを想像しますが、実際には突起といった感じです。ナイフのように美しく切ったり、刺したりすることはできませんが、カートンオープナーとしては大変優秀。刃が非常に短いので、内容物を傷つけることなく開梱できます。
▼缶切り
ナイフである突起部と1/4レンチの部分を利用すれば缶切りとして使えます。意外と使えます。
▼定規
ロープやパラコードの長さを測ったりするのに便利。DIY作業時に鉛筆でスミ入れするときなど、ちょっとした直線を引くのにも使えます。
▼釘抜
柱に刺さった邪魔な釘を取り除く時などに。プレートはしっかりとしているので力が加えやすく使いやすかったですね。
他にも栓抜きやマイナスドライバーなど日常でよく使うであろうツールを搭載しています。タクティカル・ウォレットという厳つい名前のアイテムですが、プレートツールに関していえば、日常のちょっと困ったを解決するためのツールを備えているのではないでしょうか。
* * *
EDC(Every Day Carry)という言葉があります。アメリカのギア好きの間で結構前から使われています。日々所有するアイテムの総称ですが、共通するドレスコードのようなものを付加させるのがこだわりとして見られます。つまり、EDCを見るとその人の趣味・志向、職業、年齢、性別などのプロフィールを垣間見られるわけです。
単純にかっこいいとか便利とか、そういった見た目や機能だけでなく、そのものを選び所有するこだわりが「かっこよさ」に繋がると彼らは考えているようです。製品のアイデア、品質、そして拡張性。DANGO WALLETはまさにそんな人たちの所有欲をくすぐるアイテムではないでしょうか。
キャッシュレス社会が日本よりも早く定着した欧米にこれから日本が追いつくことは間違いありません。それに合わせて普段から所持するであろう財布のスタイルも変わってくることでしょう。ギア好きの人がこのDANGO WALLETに触れれば、その魅力に気づくことでしょう。
<取材・文/GOL>
GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。
【関連記事】
◆ガーバー「アームバー ドライブ」はナイフもドライバーも使い勝手抜群のマルチツールだ!
◆抜群の切れ味と耐久性!折り畳めるハサミ型マルチツール、レザーマン「ラプター レスポンス」
◆手のひらサイズのマルチツール「PockeTool 2.0」はプレートツールの進化形だ!