■設置スタイルは壁掛け以外もアリ
まずはデザインをチェック。サイズは402×252×35mmで画面は15.6型のフルHD。大型タブレットのようだし実際にタッチ操作対応だけど、実物を見ると画面のフレームが大きい事もあって…大型のフォトフレーム風かなと。
さてこの「Echo Show 15」、どう置くべきか。「Echo show 10」のような自動追尾の回転スタンドではないどころか、そもそも製品に付属するのは壁掛け金具のみ。
壁掛け前提は、賃貸も多い日本の住宅事情ではハードル高すぎなので、別売で「Echo Show 15専用スタンド」(3980円)とホッチキスで壁掛けが可能なEcho Show 15専用の「壁美人壁掛け金具」(3480円)も同時に発売されました。検証用にこれら両方ともお借りしたのですが…持ち家とはいえ、ホッチキスだけでも壁を傷つけるのって勇気がいるんですよね。
そこでまずは「Echo Show 15専用スタンド」で設置。初期設定はWi-Fiに接続してAmazonのアカウントにログインすればセットアップ完了です。
専用スタンドにセットすると、なんだか小さめのPCモニタ風。画面の向きは縦横両対応、上下の角度調整も可能と自由は効くタイプのスタンドです。
この状態で操作感をチェックしてみます。
これまでのEcho Showと同じですね。ホーム画面上端からメニューを呼び出せるのですが、タブレットのようにヌルヌル動く訳ではなくUIも最低限。15.6型と大型化した「Echo Show 15」であっても、基本は「アレクサ、○○」の音声操作をメインと考えた方が良いと思います。
プライムビデオは簡易的なカテゴリ表示で作品の検索性は今ひとつ。音声検索から「アレクサ、○○を見たい」と作品に直接飛ぶ方がスムーズです。
Netflixは操作画面の作りがタブレットに近く、タッチ操作も一応アリ。それでも、「アレクサ、Netflixで○○を見たい」といった音声検索の活用を推奨。ちなみに、YouTubeはブラウザで表示する仕組みで音声操作は動画の検索まで可能でした。
Amazon Musicによる音楽再生も「アレクサ、○○を再生」とスマートスピーカー風に呼びかけるのが基本。タッチ操作は履歴などの表示中心で選曲には不向きでした。音楽再生中は歌詞表示してくれるのは、ちょっと満足感あります。
映画や音楽の音質については、15.6型の画面相応に音の広がりやライブ感もあるし、セリフや歌声もクリア。高音質とまでは呼べないけど、必要十分なサウンドクオリティです。
縦向き設置も想定していて、途中から「Echo Show 15専用スタンド」を回転させて縦操作もしてみました。横向きって主に動画再生を想定しているわけで、動画が全画面にならなくていいなら縦向きを推奨したいですね。
そして「Echo Show 15」には、ライフスタイル向きの機能もあります。家族で買い物メモを共有できたり、家族共有ではビジュアルIDという顔認証で表示画面をカスタマイズできたり。またカメラや電球などスマートホームのハブになったり、外出先から家の中を見守ったり。これってAmazonの考えるスマートホームな世界。ちなみに、操作していない時に写真が表示されるのもいいですね。Amazonフォトに保存済み写真の表示も可能です。
機能としての「Echo Show 15」の紹介はこれくらいですが、個人的には「Echo Show 15専用スタンド」を設置した時の外見(特に横向き設置)がイマイチだと感じました。そこで、手軽に代用できるもがないかといろいろ試行錯誤してみます。
上手くハマったのは、100均で見つけた大型フォトフレーム用のスタンド。「Echo Show 15」を立てかけると、シンプルでいい感じ。設置時の背が低くなるので、棚にも上手く収まってくれました。
そして以前購入していたピクチャーレール用のワイヤー(実勢価格:1000円程度)。1本で耐荷重10kgあるので、2.2kgの「Echo Show 15」なら吊るせずはず。「Echo Show 15」の裏側には壁掛け専用金具で使う穴があるのでワイヤーもしっかり通せます。
棚にワイヤーを掛けて「Echo Show 15」を吊ってみました。僕の家のリビングには最高にハマってくれて、普段から写真や天気などを表示しているだけで、めっちゃ映えます。これ、デジタルフォトフレームみたいですね。
音楽を流してもいいし、ダイニングテーブルに座りながら、ちょっとYouTubeの動画を見るような用途にぴったり。ガッツリAVエンタメではなく、家族で音声検索やちょい動画を見る用途にピッタリです。
ここまで試してみて気付いたのは、最初からEcho Show 15専用の「壁美人壁掛け金具」で設置すればいいということ。そうすれば、こんなスタイルで活用できるガジェットなんですよね。
「Echo Show 15」を使うと、Amazonの目指す未来が良く分かります。リビング用にデジタル・フォトフレームのように常に飾られていて、そこからアマゾンのサービスへと繋がるパネル。プライムビデオもAmazon MusicもスマートホームもAmazonフォトの写真表示も、すべてAmazon謹製サービス。
SF映画に登場するような、エンタメをはじめ家中のさまざまな機能をタッチや音声操作でコントロールするデバイス。その現在形である「Echo Show 15」。あえてアマゾンの描く未来のリビングに飛び込んでみるのもアリなんじゃないでしょうか。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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