寝袋の保温性は、中綿の質や量だけでは決まりません。実は縫い目がポイントだったりするんです。
というのも縫い目で中綿が潰れるとあたたかい空気を含むことができません。ふっくら嵩(かさ)があることで、空気という断熱材が機能するんです。
そのため寝袋メーカーは中綿を瓦葺き構造にしたり、二層にしたり、隔壁を設けて厚みをそろえたり、いろいろな工夫を生み出しています。
各社、新構造の開発は頭打ちかと思われた矢先、モンベルが表に縫い目が見えない“シームレス構造”の寝袋を発表しました。2020年デビューの「シームレス ダウンハガー」です。
隔壁でダウンの偏りを抑えるのではなく、スパイダーヤーンという細い糸にダウンをからませるという新発想で業界を湧かせことは記憶に新しいですね。
あれから2年。化繊中綿“エクセロフト”を用いる「バロウバッグ」シリーズにもシームレス化した「シームレス バロウバッグ」が誕生しました。いったい「シームレス ダウンハガー」とは何が違うんでしょうか?
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