■やっぱり立ったり座ったりが楽!
取り寄せたのは、ローチェア人気を定着させたヘリノックスの「カフェチェア」(2万3980円)、家具メーカーによるアウトドアブランド、ハングアウトの「BFディレクターズチェア」(1万7600円)、そして近年増殖中のローバーチェア代表としてビジョンピークス「ローバーチェア」(4990円)の3脚です。
まず、座面高をチェックしましょう。
「カフェチェア」…おしりが沈み膝方向が一番高くなっています。53cm
「BFディレクターズチェア」…座面はほぼ平らな43cm。座面高26cmのロースタイルにもできます
「ローバーチェア」…平らに見えますが、おしりはわずかに沈む43cmで膝部分が45cm
■組み立ては三者三様
「カフェチェア」はチェアワンと似た袋に入っていて、使わないときは非常にコンパクトになります。
ホーム・デコ&ビーチシリーズで超軽量というわけではありませんが、自宅になじむ色合いが特徴です。
ショックコードでつながれたフレームを伸ばし、座面生地をかぶせるだけ。キャンプ好きなら説明書なしでも組み立てられますね。
「BFディレクターズチェア」はメカ好きの心をがっちりつかむ収納スタイル。
座面と脚、肘掛け部分が全部同じ方向にたたまれています。
収納時はピンによってロックされているので、一度ピンを引き抜き、脚を広げてから再びピンを差し込みます。差し込み位置を変えることで、ローチェアとハイチェアを選べます。今回はもちろんハイチェア!
座面と背もたれを開いて、背もたれ上部のフレームを差し込みます。複雑な構造に見えますが、ここまで工具は一切使っていません。
最後にベルトを通して補強します。なくてもよさそうに思えますが、このベルトのおかげで揺れを軽減し、安定した座り心地となるんです。
決してワンアクションというわけではなく、どちらかと言えば手がかかりますがローチェアにもなるギミックがたまりません。
「ローバーチェア」は折りたたみ式で、約13cmの薄さ。
クローゼットやクルマのラゲッジなどちょっとした隙間に押し込めます。
組み立ては開くだけ。組み立て式のチェアは雨の日の撤収時にちょっと気分がへこみますが「ローバーチェア」はサッと片付けられるのがいい! どこでもサッと広げてくつろげるのも楽ちんです。
■肘掛けの位置や座面の幅、張りをチェック
組み立てサイズと耐荷重は次のとおり。
「カフェチェア」46.5×49×84cm、耐荷重145kg
「BFディレクターズチェア」55×47×H80cm(ロースタイル55×47×H63cm)、耐荷重80kg
「ローバーチェア」54.5×54.5×H86cm、耐荷重80kg
スペック上では「カフェチェア」の幅がやや狭く思えますが、身体を包み込むような座面は適度に広がるので決して狭いとは思えません。
そして「BFディレクターズチェア」と「ローバーチェア」の耐荷重80kgというのは物足りなく見えますがイスの耐荷重は80〜90kgがスタンダード。とりわけ頼りないわけではありませんし、余裕をもった作りなので体重82kgの人が座って壊れるというわけでもありません。ご安心を。
「カフェチェア」はもっとも背もたれがたっていて、自然に姿勢がよくなります。包まれるような座り心地は同社チェアワンと同様ですが、膝側の生地部分がかなり高くなっているので小柄な人だとちょっと膝裏に生地があたって違和感があるかも。とはいえ姿勢よく座れるのでパソコン作業をしやすく、立ち上がるのも楽です。
ハイスタイルでの「BFディレクターズチェア」。座面が平らなためでしょうか、座ると座面が少しだけ前のめりに感じます。つまり、短めの肘掛けとともに、立ったり座ったりが自然にできるんですね。腰に優しいチェアと言えるでしょう。
やや上向きの肘掛けが印象的な「ローバーチェア」。座面の奥行きがやや短めですが、背もたれが長く、身体を預けると生地がしなりながら支えてくれます。ゆったり座れますが、体格によっては肘掛けの位置が少し高く感じるかも。
ハイチェアは身体を大きく動かすことなく立ったり座ったりできるのがとにかく楽! それに食事はもちろん、調理や焚き火の準備など前屈みになる作業もしやすく感じました。ガラスのように繊細な腰を持つ大人キャンパー、そしてリモートワークでも使いたい二刀流キャンパーは、やはりハイチェアがベストです。
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<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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