SOTOの超定番シングルバーナーが進化!従来モデル「ST-310」と比べてみた

■「ST-340 Range」は大鍋や四角い鍋に対応

まずサイズを比べてみましょう。

▲左「ST-310」、右「ST-340 Range」

「ST-310」166×142×110mm、収納サイズ140×70×H110mm、330g

「ST-340 Range」166×142×H110mm、収納サイズ140×70×H110mm、360g

使用サイズも収納サイズも同じですが、重量は「ST-340 Range」が30gアップ。
収納状態を並べたところ、遮熱板も五徳も同じに見えますが、五徳のフラットな部分(鍋を載せる場所)は「ST-310」のほうがわずかに長いことがわかります。

▲左「ST-310」、右「ST-340 Range」

これは最大の違いであるバーナーヘッド(炎口が並ぶところ)の設計が異なっているため。

「ST-310」はφ45mmのなかにまんべんなく炎口が並んでいますが、「ST-340 Range」はφ66mmと大きくなって炎口は3列。中央部には炎口がありません。
五徳の先端はどちらも外側の炎口にかかる長さとなっているので「ST-310」のほうが五徳が長く中心まで伸びているんです。

バーナーヘッドが大型化されたことで炎の出方が激変しました。

▲「ST-310」(左)は炎の幅が狭いことがわかります。一方「ST-340 Range」(右)は幅の広いバーナーヘッドの周辺からほぼまっすぐに幅広の炎が立ち上がっています

「ST-340 Range」のほうは幅の広いバーナーヘッドからほぼまっすぐ炎が上がっていて、きれいに鍋底全体をカバーします。

「ST-310」はメスティンのような四角いクッカーやホットサンドクッカー、そして大きめの鍋は端っこの焼き具合がちょっと不安でしたが、「ST-340 Range」ではこのあたりを克服しているというわけです。

火力も2500kcal/hから2800kcal/hへと高められています。

使い勝手で言えば、「ST-310」唯一とも言える不満点である自動点火装置が解消されました。

▲左「ST-310」、右「ST-340 Range」

「ST-310」はバーナーヘッドのほぼ真下に自動点火装置があり、ボタンを押し込むには五徳兼脚が邪魔なんですね。それにカセットボンベ方向にボタンを押しこむので、いちいち動かないようカセットボンベを押さえる必要があるんです。大したことではないんですが、やっぱり手間がかかるし、消火後すぐの再着火では熱々の五徳兼脚に手が触れることもあるわけで…。

「ST-340 Range」では「ST-310」のオプションだった点火アシストレバーと同等のレバーが最初から装着されているんです。

だから、点火アシストレバー同様に、軽い力で押し下げるだけで点火できます。これはうれしい!

また、「ST-340 Range」は、「ST-310」の使用サイズはそのままでより大鍋に対応したバーナーですから、人気オプション「ミニマルワークトップ」にフィットします。

ただし、バーナーが大口径になったことで注意することがあります。それはシェラカップが五徳から落ちてしまうこと。炎の不完全燃焼や脚部分への熱の伝達などを考慮した結果だと思いますが、これだけがちょっと残念。

*  *  *

ソロであっても大きめの鍋を使う人や、ホットサンドクッカーでの焼きムラで悔しい思いをしている人、ソロが多いけれどたまに子どもといっしょに出かける人なら「ST-340 Range」を第一候補にするとよさそう。

一方、ファミキャンであっても食器や調理でシェラカップを多用する人は「ST-310」のままのほうが使いやすいし、「ST-340 Range」はメインになり得るので「ST-310」と「ST-340 Range」をダブル使いするのも手。

「ST-340 Range」は完成度の高い「ST-310」をベースにしているため、操作性の改良点は点火レバーのみ。人数というよりは、使用頻度が高い鍋によって選ぶのが正解です。

>> SOTO

 

<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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