1. 焚き火軍幕1枚で日よけに
とりあえずポールを1本使ってダイヤモンド張りっぽくしてみました。
よくある正方形タープよりもコンパクトな180×180cmですから対角線は約253cm。この数字だけであれば200cm程度のポールを使ってぐーんと背を高くできそうですが、そうすると両側がかなり狭く、地面から浮いてしまいます。
ボタンホールはありますが、ここにペグや張り綱を通してテンションをかけると生地へのダメージが心配。そこでグロメットを利用するわけですが、グロメットの位置はボタンホールほどありません。これが悩ましい!
試行錯誤の結果、かなり背が低いですが120cm程度のポールで日よけにしたというわけです。
2. 焚き火軍幕2枚でビークフライ風
ダイヤモンドっぽい張り方は簡単ですが、開口部が広く、寝姿が丸見え。キャンパーであれば目指すのはやはりパップテントみたいにフルクローズする張り方です。
とりあえず、パップテントっぽくするためには2面を山形にして、両脇にも壁を作ることにしました。
ポール2本で1辺を立ち上げ、片側に壁を作ってみました。
ダイヤモンドっぽい張り方では背が低かったので、背面となる幕の裾に張り綱を通して少し浮かせてみましたが、なんとも安定しません。
背が低くなりますが張り綱を使わず、地面に直打ちしたところ偶然にもビークフライっぽくなりました。もう少し調整すれば、写真左側のポールを取り外してワンポールテントみたいなフルクローズもできそう。
3. 焚き火軍幕3枚でA型っぽい!
ビークフライっぽくなったところで、前に幕を1枚追加すればかなりテントっぽくなることに気づきました。
A型テントっぽくなりました。これならかなり落ち着いて眠れそう。それに高さは控えめですが、床面積は荷物を置いてもゴロンと寝転べるほど。ひとりなら十分な居住空間です。
ただ、接続部分が尾根となるのでいくらはっ水加工を施したtakibi hampであっても雨天時はちょい心配。雨に備え、寝袋カバーが必携です。
4. 焚き火軍幕4枚でフルクローズ
あとは開口部を閉じれば完璧です。
最後に残った開口部に幕をつなげました。フルクローズの完成です。
でもこれ、どこから出入りするのが正解なのでしょうか?
3枚利用の時のように脇から出入りするのもいいですが、前面パネルを張り出せばパップテント感が高まりますし、開口部が広いので出入りが楽。屋根が広くなるのも快適です。
張り出しポールを180cmほどにすれば居住部のメインポールは120cm程度ですが、かなり開放的になります。小さな焚き火台を置いて、焚き火を眺めながら過ごすにもちょうどいいですね。
一般的な軍幕とは違い、裏面にハンギングテープが装備されていて小型LEDライトやシェラカップなどちょっとしたものを吊せるようになっています。難燃加工のtakibi hampですから小型のオイルランタンを吊してもよさそう。このあたりのちょっとした工夫が、一般的な軍幕より楽しそうでキャンパーの好奇心をそそります。
* * *
長年、説明書通りにテントやタープをたててきたキャンパーにとって自由な発想で形作る「焚き火軍幕」は手強いアイテムです。
ああだこうだと頭をひねりつつ取り組んでみると概ねビッグウイングが想定する張り方にたどり着きましたが、3人そろっても幕を辺で連結することしか考えられず、幕を菱形に連結する“3枚張り(Aパターン)”の発想にはたどり着きませんでしたから。
もしかしたらビッグウイングが思いつかなかった張り方がまだあるかもしれませんし、「焚き火軍幕」はやわらか頭を作るのにもよさそうです。
>> ビッグウイング
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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