ワークマンでここまで揃う!焚き火に使える七つ道具を試してみた【準備編】

■グリップが良好で力を入れやすい

TANOSHIBI 焚き火鋸 125mm(1900円)

さてそんな隠れた実力者のノコギリが、ワークマンでも販売されていました。しかも「焚き火専用」と銘打ってです。これはすごい自信です! 見た目はアウトドアギアに馴染むオリーブグリーンのハンドルとブラックなブレードが精悍でカッコ良く、ハンドルに付けられたパラコードのストラップが良いアクセントとなっています。

全体的にコンパクトですが、折りたたむことでより小さくなり、ジーンズのバックポケットに入れることも可能で、森に入っての薪探しにも便利ですね。ただし森に生えてる木は勝手に切ってはダメですよ! 落ちてる枯れ枝などを、運びやすい長さに切断するときに使ってください。

さっそく焚き火サイドで直径5cmくらいの広葉樹の薪を切断してみましたが、刃の食いつきは非常によく、ザクザクと心地よい感触を楽しみながら簡単に切断することができました。

この手のコンパクトタイプノコギリを選ぶとき、ブレードが注目されがちですが、意外に重要なのはハンドルだったりします。TANOSHIBIのハンドルは形状、素材とも非常にグリップが良くて力が入れやすいため、たくさんの薪を切断しても疲れが少なかったです。

ただサイズ的にどうしてもブレードが短いため、より太い薪を切るのは辛いところも。同じシリーズで180mmもあるのですが、これでは携帯性が悪すぎます。もう3cmブレードが長いタイプがあったら試してみたいですね。

■薄く鋭利な刃先で細かな作業にも使える

TANOSHIBI 軽量ハンドアックス(1780円)

ワークマンには、このハンドアックスもラインナップ。しかもノコギリと同じく焚き火専用のTANOSHIBIシリーズです。これは期待できそうです。

手にした第一印象はコンパクト。通常のハンドアックスに比べて斧頭は非常に薄く、鉈というよりもナイフの厚さに近いです。ただ華奢すぎるということはなく、斧頭からハンドル部分までが1枚のブレードで作られたフルタング構造になっていて、この点もアックスというよりナイフに似た感じですね。ブレードの厚さを測ったら、およそ4mmでした。

ハンドルグリップは樹脂性で形状も良く、とても握り心地が良いです。しかし通常のアックスに比べて、全体の重心が中央寄りなため、振り下ろす感覚では使いにくく感じました。

付属の説明書では、薪割りのするときに、まず薪にブレードを打ち付けてめり込ませ、薪ごと台などに打ち付けて割る手法が紹介されていますが、この手順では柔らかい薪なら良いのですが、硬い薪ではうまく割ることができませんでした。

刃先が薄いために食いつきは良いのですが、振り下ろすときに斧頭に重みがなく、打撃力が弱い感じなのです。

そこでバトニングで試してみたところ、これが正解でした。薄く鋭利な斧頭は、棍棒による打撃を受けて、グイグイと薪に切れ込んでいき、ほんの数回のバトニングでパカッと気持ちよく薪を割ることができたのです。もちろん、いくら薄手とはいえアックスなので、細いナイフのようにバトニングによるダメージを心配する必要もなさそうです。

刃先の鋭さをいかして、ウッドクラフトにも使えそうです。フェザースティックに挑戦してみると、スイスイ削ることができました。これも通常のアックスにはない特徴でしょうね。重心の位置がハンドル先端あたりなので、細かい作業でもハンドリングしやすかったです。

私は今まで焚き火サイドの「何でも屋的刃物」にアメリカ土産のハンドアックスを使ってきましたが、このTANOSHIBIのアックスはそれに代わって使えそうな予感がします。

唯一不安なのは、薪の小割りに使い続けたときに、いつまでこの鋭い切れ味が続くのかという点ですが、これはしばらく使ってみなければわからないので、しばらく試してみたくなりました!

<写真・文/阪口 克>

阪口克|旅と自然の中の暮らしをテーマに国内外を取材するフリーカメラマン。秩父郡長瀞町の自宅は6年かけて家族でセルフビルド。著書に『家をセルフでビルドしたい』(文藝春秋)、『ビジュアル版焚き火のすべて』(草思社)、『ファイアーサイドクラフト』(山と渓谷社)ほか多数。

 

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