■装備ごとのクーラー選びの考え方
さてひと言でクーラーボックス選びと言っても、形も素材もサイズも本当にたくさんあるので悩みますよね?
クーラーを選ぶ前にまず、キャンプをする人数と場所、ロケーションによって、どのくらいの荷物で行くのかを整理しましょう。サイトにクルマを横付けできるのか? 徒歩での運搬距離はどれくらいあるのか? それによって荷物の多さが決まります。
これから装備が少ない順番に、保冷用のクーラーとどのように使っているかを説明したいと思います。
■最小装備の完全バックパックキャンプ
ミニマム装備のバックパックキャンパーにおすすめなのは、バックパックの中に入ってしまう、保冷システム。
愛用しているのは、Oregoian Camper(オレゴニアンキャンパー)のメスティンウォームキーパーLサイズとPelican(ペリカン)のTRAVO64ボトル(64oz)の組み合わせです。
メスティンウォームキーパー? と首を傾げる方もいるかもしれませんが、保温効果があるということは保冷効果もあるということ。
本来はメスティンラージサイズが2個収納可能なサイズで、本体サイズ約22×15×30cmで、350ml缶が6本と保冷剤が入ります。夏でも、冷凍した肉などであれば1日は持ちます。ただし生肉をそのまま入れるのは、やめた方がいいでしょう。
PelicanのTRAVO64ボトルは保冷力抜群で、口がそれなりに広いので氷の出し入れがしやすく、私は氷を1kg分これに入れて、飲み物用に使っています。
このように氷はPelicanのボトルに入れて携行します。ちなみに、蓋の開け閉めをせずに日陰に置いておいていたら、夏でも3日ほど氷が残っていたことがあります。
食材はメスティンウォーマーへ、氷はボトルへ。これで真夏でも快適で、ミニマムな保冷システムの完成です。
■万能型装備のバックパック+ソフトクーラー
普段愛用のバックパックにIcemule(アイスミュール)のクーラーを加えれば、持ち運びもしやすく、冷やせる容量も安心感のある装備になります。
Lサイズは約23Lで、保冷剤と一緒に350ml缶が18本入ります。使用時43×36×28cmで、収納時(丸めることが可能)48×18cmと非常にコンパクトになるので、遠征キャンプで行きはバックパックに丸めて外付けをし、現地で食材を買う時に広げて使います。
レジ袋有料化のこの時代にこれを背負ってスーパーに行けば、両手を塞がずに買い物ができるとっても優れものです。
リュック型なので、こんな感じで背負えちゃいます!
肩掛けで持てば、バックパックを背負った状態でも運搬可能!
保冷力はソフトクーラーの中でもかなり上位に入ると思います。真夏のキャンプですと、何度も開け閉めしても、次の日朝までなら、氷は残っている状態をキープできます。
なんといっても秀逸なのが、空気を入れてその空気の層で保冷力を担保するので、重量1.15kgと軽量で、空気を入れる形状なゆえのコンパクト収納可能なところです。3年ほど使ってますが、最も使用頻度の高い保冷バックです。このIcemuleとPelicanボトルの組み合わせは最強です!
■炎天下もキンキンな最強保冷装備
とにかく保冷力を重視したい方は、やっぱりハードクーラーがおすすめ。愛用しているのはアメリカのPelican社のクーラー「20QT Elite」。
容量は約19Lで、上のIcemuleと同等の大きさですが、ハードケースなのでソフトクーラーと比較すると容量は少なめに感じます。保冷力は真夏でも2日くらいは開け閉めをしていても氷が残っている感じです。
最強の保冷力を誇るといわれているYETIは持っていないのですが、それに匹敵するといわれる(メーカーは最長で5日間氷がもつと記載されています)Icelandのハードクーラーも持っているのですが、Pelicanの保冷力はそれと遜色ないので、ハードクーラーの中では最高レベルだと思います。
気に入っている点は保冷力以外だと、この形で、横45×奥行32×高さ47.8cmという縦長の形状です。この形状がとても持ちやすく、長いボトルの収納にいいのです。そして座るのにちょうどいいサイズ感が秀逸です。
このハードクーラーとは別に、Pelicanのボトルに飲料用の氷を入れておけば、ハードクーラーの開閉回数を減らすことができ保冷力を担保できます。
3つのシーンごとにおすすめの保冷システムをご紹介してきましたが、ポイントはなるべく開閉しないように飲料用の氷は分けておくことです。それによって、メインのクーラーボックスの保冷力がキープし、さらに冷たい氷をちゃんと溶けずに使うことができるのです。夏のキャンプにおいて、氷だけはどんなに工夫しても代替えの効かない物ですからね。大事にしましょう!
■保冷力をキープするためのコツ
ここまでシーンごとにおすすめの保冷システムを紹介してきましたが、ここで保冷力をキープするためのコツを整理しましょう!
クーラーボックスは直射日光に当たらないところに設置し、地熱の影響を受けないよう地面とクーラーボックスの間に薪を挟んだり、スタンドの上に置いたりしましょう。
また、冷気は下へ行くので、保冷剤や氷は食料・飲料の上に置く、飲料用の氷とメインのクーラーを分ける、クーラーの開閉回数を減らすなどの工夫もしたいところです。
そしてあと2つ大事なコツをご紹介します。
ひとつ目は、事前に冷やしておくことです。私は前の日の夜から、次の日使うクーラーボックスの中に、保冷剤を入れておいて、次の日食材を入れるまで冷やしておきます。
写真のような感じで事前に氷を入れておくことをおすすめします!
もうひとつは、保冷剤や氷の量を食材に対して最低1:3くらい、できれば1:1となるくらい入れることです。隙間は可能な限り氷で埋めてください。こうすることで、かなり冷えた状態をキープできます。
さて、いかがでしたでしょうか? 上記の保冷力をキープするためのコツを守って、シーンごとにクーラーを使い分けてみてください。
これらを気をつければ快適な夏のアウトドアを過ごせるでしょう! そして、紹介したギアたちを組み合わせることで、4人くらいまでのキャンプも楽しめますので、さまざまなタイプのクーラーを揃えておくのをおすすめします!
>> 連載 [不自由を自由にする野営スタイル]
(文・写真/RYU)
RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」
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