まずは1階の2店舗から。1件めは海外からの客を意識した、出汁をテーマに日本各地の日本酒が楽しめる「地酒・おでん・肴 フクロウ」。
座席はおでんの鍋を取り囲む形のカウンターのほか、各地から集められた珍しい日本酒が並ぶ前のバーカウンターがあります。
同じく1階のエントランス横には、三軒茶屋の「OBSCURA COFFEE STAND」のコーヒー豆を使ったスペシャリティコーヒースタンド「WISE OWL CAFE」を展開。サービスアパートメントを除く宿泊エリア内では飲食はできないので、1階のロビーでゆっくりし、同じ宿泊者との交流のきっかけにしてはどうでしょう。
さらに地下には、終電後に遠くに出かけなくても遊べる、八丁堀には珍しいクラブスタイルの店舗、SOUND & BAR 「HOWL」。
1階のエントランスから地下に入り、分厚い防音ドアを開けると、上質な音の世界が広がります。
店舗名に「SOUND」と入れたのは伊達ではありません。
心地よいサウンドを求め、建築音響の霜田英麿氏、真空管アンプの小松音響研究所、飛騨の木工会社Oak Villageの協力のもと、Yosi Horikawa氏によって作られたスピーカーが置かれた、総面積89.89平米の音楽を楽しむための空間です。
残響感ひとつとっても、カーテンを開けるだけでコンマ2秒変わるなど、微妙にコントロールできるこだわりぶり。
広域拡散体を設置し、音域を広げ音質を高め、天井は低音域を吸収するような仕組みの音響トラップを作り、クラブ音楽からクラシックやジャズ、ライブ演奏での利用など、さまざまな音楽に対応できる設計となっています。
真空管アンプのシステムは、6階のサービスアパートメントにも設置。
もちろん、バーとしての利用もできます。眠る前の1杯を楽しむのもありですね。
さて、この日は夜間も勤務していた女将の八ちゃん。夜行性ため、やはり夕方のチェックイン時より動きは大きめ。私も飼ってみたいと思ったことがあるのですが、エサが冷凍のネズミやヒヨコと聞き、断念しました……。
八丁堀は観光スポットとは言えないエリアですが、利用者としてカップルやファミリー層が想定されていることの大きな理由は、八丁堀駅から東京ディズニーランドにダイレクトにアクセスができること。
東京ディズニーランドの閉園まで遊んでも、宿泊場所まで電車の乗り換えなしで戻ってこられて、すぐにベッドにたどり着けます。
企画・運営を行うシェアカンパニーによると、今後は渋谷や京都などへの進出も検討しているそうです。
【WISE OWL HOSTELS TOKYO】
http://www.wiseowlhostels.com
東京都中央区八丁堀3-22-9
東京メトロ日比谷線・JR京葉線「八丁堀駅」B1またはA1出口徒歩30秒
建物構成: 1F~5F ホステル、B1 SOUND & BAR 「HOWL」、1F コーヒースタンド「WISE OWL CAFE」、 「地酒・おでん・肴 フクロウ」、 6F サービスアパートメント(家具付)
※記事中の宿泊料金は税・サービス料込です。
(取材・文/北本祐子)