白ワインの重要産地 ―サントリーニ島
サントリーニ島は、栽培環境(テロワール)、固有のブドウ品種、ワインの独自性において、非常に優れたワイン生産地。ギリシャ最古のブドウ園はサントリーニ島に3500年前から存在すると言われています。
サントリーニ島の土壌は、紀元前1650年頃に大噴火した火山がもたらした火山灰、火山性溶岩、多孔性の軽石、石灰岩など。
有機成分を含まない非常に貧しい土壌ですが、ブドウ栽培には最適で、ブドウの最大の敵である害虫フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)も寄せ付けません。フィロキセラがいないため、自根で数百歳という樹もあるとか!?
もうひとつ特筆すべきことは、ユニークなブドウ樹の仕立て方です。
サントリーニ島では風が強く、また陽射しも強いため、ブドウの枝を地面の上にグルグルと巻きながらバスケットのように整え、その中にブドウの房を入れるようにして、風と直射日光、夏の高温から守ります。
現地生産者はこのバスケットのことを「クルーラー」とも呼んでいました。某ドーナツチェーン店に●●●●クルーラーという商品がありますが、まさにその形です。
ギリシャの観光写真でよく見られる、真っ白な外壁の建物や海の美しい風景は、サントリーニ島でよく見られます。有名なサンセットポイントや遺跡があり、著名レストランも多く集まるギリシャ随一の観光地サントリーニ島は、ぜひ訪れてほしい場所。
サントリーニ島では、“アシルティコ”という白ブドウ品種から白ワインが造られています。柑橘、青リンゴ、桃、アンズ、ハチミツなどのアロマとミネラル感、キリリとしたフレッシュな酸味が特徴で、アルコールが高く、しっかりしたボディのワイン。繊細なもの、軽快なもの、樽熟成した長期熟成タイプなど、多彩なワインが造られています。
アシルティコには、“Nikteriニキテリ”とラベルに表記された特別なワインも。
気温が下がる夜にブドウを収穫し(ナイトハーベスト)、夜中に醸造を行ないます。こうして造るニキテリは、通常のアシルティコのワインよりもアルコール度数が高いものになるそう。
ちなみに、Nikteriはnight workという意味。なるほど!