■苦肉の策だったシェラカップが案外正解だったかも
いよいよここから主役である苔の登場です。
ハイゴケとは漢字で書くと“這苔”。どうやら、そこら中に生えている苔のようです。群生していればシート状で採取できるらしく、買ってきたハイゴケも15×10cm程度のシート状になっています。
裏側は日が当たらないからか茶色。このままだと覆えるほどの大きさではないので、ちぎれないように注意しながらほぐして広げます。
そして広げたハイゴケで、先ほど植物の根部分を包んだ土団子を覆っていきます。
やさしく手で包んでやると、土が湿っているからなのか、ほんのりくっつきました。
あとはハイゴケと土をしっかり一体化させるために紐をグルグル巻きに。ここを適当にしてしまうと、あとで崩壊したり、土が流れてしまうらしいので、しっかり巻きます。
最後は紐の端をゼムクリップを開いたモノに縛りつけて、苔玉に刺して固定。今回は使った紐が短かったので、2回ほど巻く作業をしました。紐は長いほうがいいですね。
ネットで見た苔玉より不格好ですが、作業開始から30分程度で完成。自分で作ったからか、不格好でもかわいい。
この苔玉に水をしっかり吸わせたら、あとは飾るだけ。…って、この段階で何に載せるかを考えていなかったことに気づきました。
苔玉は平皿の載せて飾るのが一般的なようですが、ちょうどいい平皿なんてない。うーむ困った…。
何かないかと部屋中を探し回り、見つけたのがシェラカップ(笑)。なぜかたくさん持っていて、最近とんと出番がないものもあるので、それを器代わりにします。サイズもちょうどいいし。
ということで“シェラカップ苔玉”堂々の完成です。
いやはや、殺風景だった部屋に初めて緑がやってきました。なんだか侘び寂びを感じます。そしてコーディラインだからなのか、大海に浮かぶ孤島のような雰囲気もあります。今度、プラモのジオラマで使う極小フィギュアを買ってきて、立たせてみようかな。
* * *
ちなみに苔玉は、夏場なら1日1回、春秋は1~2日1回、冬は2~3日に1回、苔玉部分を水に浸してやらなきゃいけないそうです。ただし浸したままはカビや根腐れの原因になるのでNG。そう考えると、シェラカップを器にするのって正解だったかも。持ち歩きやすいから、水道のところまでシェラカップごと持っていき、水を入れて吸水させたら、水を捨てて元の場所に戻せばいいわけですからね。
あとは、日差しと風を浴びさせること、と。ふむふむ、そういう意味でも持ち歩きやすいシェラカップ苔玉、悪くないぞ!
コーディラインのあとに、ちゃんとフィカスの苔玉も作りました。シェラカップはもう余りがないのでダイソーで購入。仕事中、常に視界に入る場所にふたつ並べています。やっぱり緑はいいなぁ。観葉植物にハマりそうな予感です。
<文/円道秀和(&GP)>
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