1972年に初期型が登場し、今年で50周年を迎えたホンダの代表的車種である「シビック」。新型の「タイプR」も公開され、注目を集めていますが、それに先立って追加されたハイブリッドモデルが「シビック e-HEV」。
その中身は、「シビック」がツーリングカーレースでも大活躍し、公道でも走りにこだわる人たちに選ばれていた“あの時代”を知る人にこそ乗ってほしいと思える完成度でした。
■シビックと聞いてどのモデルが思い浮かぶ?
50年の歴史を持つモデルだけに、「シビック」という車名を聞いても思い浮かべるモデルは世代によって違うと思います。筆者が思い浮かべるのは、1987年に登場し初めてVTECエンジンを搭載した4代目の「EF」型(「グランドシビック」という呼び名もありました)か、その次の5代目モデルである「EG」型です。
あとは「ワンダーシビック」と呼ばれた3代目モデル、そして初めて「タイプR」が設定された6代目モデルでしょうか。レースで活躍していたイメージもあり、“走りのいいコンパクトなハッチバック”というのが「シビック」についての印象です。
同様の印象を持っている人は少なくないと思うのですが、そういうイメージの人にとって現行の「シビック」は“大きい”と感じるでしょう。価格帯も319万円〜と、かつての若者にも買いやすいクルマではなくなっています。
そのギャップの要因には、国内で「シビック」が販売されていなかった空白期間が存在することもあるでしょう。2011年〜2017年、9代目にあたるモデルは日本では販売されませんでした(「タイプR」は除く)。その間に「シビック」は海外で“成長”し、1クラス上の車格になっていたといえます。
日本での販売が復活した10代目モデルに乗ったとき、筆者も「ずいぶん高級車になったな」と感じたものでした。ただ、クルマとしての完成度はとても高く「これなら欲しい」と思える仕上がり。冷静に考えてみると、家族もできて歳もとった今、「EF」や「EG」型のような2ドアのコンパクトなハッチバックを購入したら、おそらく家族から大ブーイングを浴びることでしょう。そういう意味でも、現行の11代目モデルこそ、若い頃に「シビック」で走りを楽しんでいた世代にこそ、おすすめできるクルマだと言えるかもしれません。
【次ページ】エンジン車に乗っているのかと思うほどのフィーリング▶
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