【F-PACE 試乗】ジャガー初のSUV上陸!軽快な走りはスポーツカー顔負け

日本で売られるF-PACEは、大きく分けて3種類。

2リッターのディーゼルターボ(180馬力/639万円〜728万円)、ガソリンエンジンの、3リッターV6スーパーチャージド(340馬力/849万円)、同じくV6スーパーチャージドのハイチューン版(380馬力/981万円)から選べます(そのほか、「F-PACEファーストエディション」(380馬力/1108万9000円)が50台の先行受注モデルとして用意されました)。

今回、最初に試乗したのは、F-PACE 35t R-Sport。340馬力のV6スーパーチャージドエンジンを搭載した上級モデルです。

ジャガー F-PACE 35t R-Sport

ボディサイズは、全長4740×全幅1935×全高1665mm。開発陣がベンチマークとしたポルシェのマカンとほぼ同等。同じ企業グループのランドローバー「ディスカバリー」よりは、やや小ぶりなサイズです。

ちなみに、F-PACEのプラットフォームは、プレミアムサルーン「XF」「XE」のそれを強化・拡張したもの。サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン、リアはインテグラルリンクことマルチリンク式という、XF、XEと同じ形式を採ります。

以前、「ジャガーブランドからSUVが出る」と聞いた時、「ランドローバーのプラットフォームを活用するのかな?」と思ったのですが、そうではないようです。むしろ、F-PACEで開発されたシャーシが、今後、ランドローバー側に提供されるかもしれない、とのこと。グループ内の“シナジー効果”ですね。

もちろん、F-PACEにもランドローバーで培った経験が注入されています。例えば、凍結路や状態の悪い未舗装路において、とりあえずハンドル操作に集中したい! そんな時に起動される機能が“オール・サーフェス・プログレス・コントロール”、略して“ASPC”。

路面に合わせて、場合によっては急な下り坂に対応する“ヒルディセントコントロール”を併用しながら、自動でゆっくり進んでくれる機能です。いかに路面に合わせてトラクションを確保し続けるかがキモ。ランドローバーの“テレインレスポンス”機能が、ジャガー向けにチューニングされて搭載されました。

F-PACEの駆動方式は、FR(後輪駆動)を基本に、必要に応じてフロントへ伝える駆動力を増やす、いわゆるフルタイム4WD。電制多板クラッチを備えたトランスファーが、走行状態、路面状況を判断し、インテリジェントに駆動力を前後に分配してくれます。

ちなみに、イギリス車らしく右ハンドルを基準に作られているので、トランスファーから前方へ駆動力を取り出すシャフトは、進行方向に向かって左側を通ります。そのため、ドライバーの足元を浸食しません(以上、F-PACE豆知識でした)。

ジャガー F-PACE 35t R-Sport

さて“ジェット・レッド”(10万2000円のオプション)のボディカラーにペイントされた35t R-Sportは、グロスブラックフィニッシュの20インチホイール(22万1000円のオプション)を履いた“ちょいワル”(死語!?)仕様。

ジャガー F-PACE 35t R-Sport

リストバンド型の“レジャーアクティビティキー”(4万1000円のオプション)をリアゲートにあるJAGUARロゴの“J”の部分にかざすと、解錠される仕組み。

ジャガー F-PACE 35t R-Sport

そしてドアを開けると、サイドステップがサッと自動で出てきます(“ディプロイアブル・サイドステップ”/46万0080円のオプション)。クルマに乗り込むところから“F-PACE劇場”は始まっているのです。

ジャガー F-PACE 35t R-Sport

ちょい派手な“パフォーレイテド・トーラスレザー・スポーツシート”(28万1000円のオプション)に座れば、センターコンソールには10.2インチのタッチパネル式ディスプレイが広がります。

メーターナセル内にも12.3インチの液晶が埋め込まれ、4種類のグラフィックテーマから好みのメーター類を選べます。ここには、ナビ画面を表示することも可能。いかにも“21世紀のジャガー”ですね!

ジャガー F-PACE 35t R-Sport

スターターボタンを押してエンジンをかけると、円柱形のシフターがせりあがってくるのは、もはやジャガー・ランドローバー・グループの“お約束”。ダイヤルを“D”に回すと、視点の高いニュージャガーが、スルスルと走り始めます。

ジャガー F-PACE 35t R-Sport

F-PACEのボディは、80%をアルミで作り、一部にマグネシウムまで導入して軽量化に励んだ先進のモノコック構造。完成車の車重は、豪華な装備を満載しながら、2トンを切る1980kgに抑えられました。

35t R-Sportの3リッターV6スーパーチャージドエンジンは、340馬力の最高出力、45.9kg-mの最大トルクとも、XEやXFと同一スペックですが、スポーツサルーンより200kgほど重いウエイトをものともせずに運びます。

ジャガー F-PACE 35t R-Sport

そして、20インチの50タイヤを履いているとは思えない、スムーズな乗り心地。実に快適です!

 ■アクティブサスの恩恵は思いのほか大きい!?

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