■アルコールストーブのメリット・デメリット
アルコールストーブはとってもシンプルでコンパクト。装備をウルトラライトにしたい方にとってもピッタリのストーブです。ちょっとお湯を沸かしたい時など、ほんの少しだけ火を使いたい時に本当に便利な熱源です。
では、アルコールストーブのメリット、デメリットはどんなのがあるか、改めて整理していきましょう。まずはメリットから。
メリットは、軽量・コンパクトで、ほとんど壊れることがなく、燃料の補給が簡単。寒冷地でも簡単に着火するといった点でしょうか。
個人的に、なんといっても気に入っているところは、軽量・コンパクトな点。ガスバーナー、ガソリンバーナーも持っているのですが、ガソリンストーブはかさ張りますし、ガスストーブも軽量とはいえ、OD缶でもCB缶でも結構かさ張ります。
でもアルコールストーブ(上の写真の右側)はサイズ直径7.1×高さ4.2cmとかなりコンパクトで、重量は34gと本当に軽量です。本体とは別に燃料入れと燃料は必要ですが、自分が必要な分の燃料しか持っていかなければ、重量も、質量も気になりません。
そして、シンプルな構造であるため、車にでも惹かれない限り、壊れることはないでしょう。なので特別なメンテナンスもいりません。燃料は薬局やホームセンターなどで簡単に購入することが可能です。
ガスストーブのCB缶はコンビニでも売っているので入手が簡単なのですが、OD缶は専門店にいかないと手に入らず、急に補給が必要になった時、困りますよね。
最後のメリットは寒冷地でも使える点です。ガスは火力も強いし、簡易で軽量ではありますが、寒さに弱いのが難点です。寒冷地用のガスもありますが、氷点下になると不安があります。しかし、アルコールストーブは氷点下でも一発着火可能です。
次にデメリットですが、火力が弱い、火力調整しにくい、風に弱い、アルコールストーブ単体では使えない。という点です。
まず、最後のアルコールストーブ単体では使えないという点ですが、ストーブの上には直接ものを乗せられず、乗せると蓋をしてしまうことになるので火が消えます。なので必ず、五徳が必要になります。
そして、風に弱いので、風防が必要です。風を防ぎ、熱量を逃がさないようにしないと、私が失敗したように、ラーメン用のお湯が1時間も湧かないような状態に陥ります。しっかりと風よけをして、熱量を逃がさないようにすればちゃんと使えるのですが、やはり、ガスやガソリンなどのストーブと比べると、圧倒的に火力は弱いのでそこは割り切りましょう。
そして、火力調整がしにくい点ですが、これは蓋を少しするとかで多少は改善できますが、そもそも火力が弱いので、私は蓋を少し(半分とか、4分の1とか)するような火力調整を行うことはありません。
そもそも、細かい火力調整をするような調理には向きません。もしも火力調整をするのであれば、ストーブからの距離を離すことで調整した方が良いかなと思います。
■使っているアルコールストーブの違い
アルコールストーブのメリット、デメリットをお伝えしましたが、私が使っているアルコールストーブを2台紹介します。正直なところ、仕様がシンプルなため、それほど大きな差がないのですが、なぜこの2つを選んだのか、使ってみての差があるのか? を紹介します。もしこれから購入される方がいれば、選ぶ際の参考になれば幸いです。
■使うほどに味の出るロングセラー
▼トランギア「アルコールバーナー TRB25」
アルコールストーブを半世紀以上作ってきたトランギアのロングセラー。1個は持っておきたいと思い、最初に購入したのがこちら。
不満点はひとつもなく、丈夫だし、メンテナンスも要らず、蓋があって、中に入れたアルコールが漏れないようになっています。もちろん、移動する場合は、一度アルコールは容器に入れ直すことをおすすめします。
真ちゅう製の本体が使えば使うほど、味が出てきます。
重量:110g
サイズ:直径7.5×高さ4.5cm
■チタン製で軽く火力も強い
▼エバニュー「チタンアルコールストーブ EBY254」
トランギアのアルコールストーブにはなんの不足もなかったのですが、一時、キャンプギアすべてがバックパックに入ればいいというに足りず、より、軽量化するにはどうしたら良いかを思案していた時期がありました。その時、少しでも荷物を軽くしたい、そして、もう少し火力が欲しいと思い、このエバニューのチタンアルコールストーブを購入しました。
基本スペックは下記の通りです。
重量34g
サイズ:直径7.1×高さ4.2cm
重量は、ご覧の通り、トランギアの半分以下なのです。まあ、大した重さではないのですけどね。ただ、山に入って歩くと一歩一歩にその重さが加わるので、可能な限り軽くしたい、という気持ちで選びました。
もうひとつの購入目的である、火力についてですが、確かに、エバニューの方が火力は強いです。ただ、ガスバーナーとは比較にもならないレベルですので、誤差の範囲だと思っています。
軽さと火力を取るならエバニュー、蓋が必要であったり、真ちゅうの色気が好きであればトランギアというように、好みで選ぶのがいいと思います。