首に巻くアイスリングみたいに背中を冷やせたら暑い日のリュックも快適

リュック派の皆さん、こんにちは。夏は背中の汗が気になる季節です。背中に触れる部分の素材がメッシュがあろうとなかろうと、滝のように流れる汗は、容赦なく不快感と、その後の臭いをもたらします。嫌ですね。

そんなときに、面白いものを見つけました。流行りのアイスリング(首に巻く冷たいやつ)と同じ素材で、背中を冷やしてくれるというグッズです。自腹を切って購入し、約1ヶ月間半使ってみたので、感想をお届けしたいと思います。

▲コジット(COGIT)「COOLOOP アイスメッシュフレーム」

この手の製品は既にいろいろ登場していますが、筆者が入手したのは「コジット(COGIT) COOLOOP アイスメッシュフレーム」というアイテム。購入時はAmazon.co.jpで6578円でしたが、執筆時に確認したら割引で5000円弱になっていました。リュックがもうひとつ買えてしまいそうな値段ですが、それで背中が涼しくなるならば、とポチり。

▲背中に直接当たるメッシュフレームは弓状になっている

▲この部分に風が通る仕組みだ。奥に見えるバンドにハンディファンを固定することもできる

同製品は、弓状の硬いフレームにメッシュの生地が貼られているため、背負ったリュックとの間に空気が通る空間を確保できます。

最大の特徴は、背中に触れる部分に冷却シートを装着できること。このシートには、28℃以下で自然凍結する「PCM」という素材が充填されています。流行りのアイスリングで使われている素材と同じです。この素材は、25℃前後にクーラーを効かせた部屋に放置しておけば、それだけで固体になり、炎天下で体温を冷やしてくれます。

▲フレームの4ヶ所に固定用のバンドが付いている(右)。冷却シートも同梱されている(左)

 

■リュックにセットするまで

まずは、メッシュフレームのファスナーを開け、この冷却シートをセットします。

▲フレームにあるファスナーをオープン

▲冷却シートをセットする

そして、冷却シート入りのフレームをリュックに固定。具体的には、肩ベルトなど4ヶ所に紐を通し、ボタンで留めます。

サイズは2段階で調整できるので、ベルト幅が広めのリュックでも装着できました。

▲フレームに付いているバンドを、リュックの肩ベルトをひと周りさせてボタンで固定

▲4ヶ所固定するとセット完了

準備段階で苦労したのは、フレームに冷却シートをセットする工程。メッシュがピッタリとハマる構造になっているためか、冷却シートを入れるために、ポケットを開けると、硬いフレームが外に出てしまいます。これを中に入れてファスナーを締めるのに苦労しました。

▲ファスナーを開けたときに、フレームが飛び出てきてしまった。元に戻しながらファスナーを閉めるのが大変だった

 

■使用感について

フレームを装着した状態でリュックを背負ってみると、背中に隙間が生まれました。この隙間に風が通るという仕組みです。

フレーム部は硬い素材なので、装着感は姿勢矯正用の椅子にでも座った感覚に近いでしょうか(もちろん姿勢矯正効果はありませんが)。

▲背中に隙間ができているのがわかる。そして、冷却シートをセットしたフレームが背中に触れている

冷却シートをセットしてあるため、Tシャツ越しでも背中はひんやりと気持ち良い。例えるなら、冷蔵庫でキンキンに冷やしておいた水入りペットボトルを、フェイスタオルの生地を2〜3枚越しに素肌に当てたような感覚でしょうか。決して劇的に冷たいわけではありません。ほんのりと納涼感がある程度です。

▲感覚を伝えるのが難しいが、ひんやり度合いは大体このくらいあるかないか

ただし、冷却シートの範囲が背中全体に広がっているので、炎天下ではこのほんのりの涼しさがあるだけでも大違い。短時間であれば、しっかり体温上昇を押さえてくれます。

例えば、筆者は最寄り駅まで15分くらい歩かなければいけませんが、夏の炎天下でリュックを背負って15分くらい歩くと、確実に汗だくになります。しかし、この冷却シートありでリュックを背負って歩いたところ、15分歩いても軽く汗ばむ程度で済みました。電車に乗ってしまえば、冷房があるので、暑さのピークを耐えるのに最適です。一度使うと手放せなくなります。

▲見た目はさほど変ではないが、リュックの重心が体から離れるので、荷物が多いときはちょっと負担増だ

ただし、シート部分が冷えているため、どうしても結露は発生します。汗でシャツが濡れることはありませんでしたが、結露で背中が濡れているな、と感じる場面は何度かありました。それでも汗をかいたときに比べれば不快感はさほどありません。

ちなみに、フレームには、ハンディファンを装着できる構造にもなっています。ひんやり感よりも、汗の乾燥を重視したい場合には、別途ハンディファンを用意して、活用するのがよいかもしれません。

もちろん、時間が経ち、冷却シート内の素材が溶けた状態になったら、冷却効果はありません。しかし、再度固形にするためにはクーラーの効いた部屋に置いておくだけで良いので、管理は容易です。

▲電車内などで前向きにリュックを抱えるときには、腹部やみぞおちに硬いフレームが当たってやや圧迫感を感じることも

普段使いで少し困ったのは、リュックを背負う・降ろしづらくなること。気をつけないと、硬いフレームが腕に当たって痛い思いをします。肩ベルトをやや長めにしておき、慎重に腕を通してゆっくりと背負う・降ろすといった意識する必要があります。

特に電車通勤の場合には、リュックが邪魔にならないように前に抱えることがありますが、フレームが着いた状態だと、どうしても厚みが出てしまい、腹部やみぞおちに多少圧迫感を感じることも。乗降に合わせて、こまめにリュックからフレームを着脱すれば良い話ですが、現実的にはちょっと億劫な作業です。慣れれば我慢できる程度なので、筆者はそのまま使っていました。

*  *  *

「汗のなかから知恵を出せ」とは松下幸之助の金言ですが、決して気温を我慢するという話ではありません。さすがに現代の都市は暑すぎます。ビジネスも勉学も、炎天下の体調管理ができてこそ、パフォーマンスが発揮されるというものでしょう。通勤・通学はリュック派という皆さんは、ぜひこうしたアイテムを揃え、残暑や来年の夏に対策してみてはいかがでしょうか。

 

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter

 

 

 

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