■多機能でひとつずつそろえるより持ち運びやすい
「MAKIBI マルチソロテーブル」の総重量は約6kg。一部を除き、ほぼスチールとステンレスですから、ずっしりしています。
パーツが多く感じますが、画像の左上4つは焚き火台、その隣が天板、左下はベースとなるテーブルフレーム。残りはランタンスタンドとフック、棚、ポールですから、恐れるに足りません。
注目したいのがポールの太さです。
吊り鍋用のフックは太いポールに、もう1つのフックと棚は細いポールに対応します。だから、テーブルフレームの穴は4つありますが、片側は大きめで、もう片側は少し小さくなっているんですね。
テーブルフレームを広げたら、ポールを差し込む穴がやや大きいほうに焚き火台を入れます。焚き火台はロゴスのヒット商品、ピラミッドグリルシリーズとほぼ同じ構成で、脚がテーブルフレームに付属しているので、組み立てが簡単です。
天板は載せるだけ。正方形なので、向きを気にする必要はありません。
ちなみに、テーブルフレームはプッシュボタンでロックでき、不意に脚が畳んでしまう事故を防げます。これは安心。
手前か奥にポールを差し込み、棚やフックを取り付けます。ストッパーでポールを挟み、その上からフックや棚を差し込むという取り付け方がキャンプギアでは新鮮。
棚やフックの固定位置は無段階ではありませんが、約3cm刻みなので不便はないでしょう。
完成です。高さがあるので存在感はありますが、トライポッドのように大きく脚が広がっていないのでスッキリ。これならコンパクトなソロ用サイトでも動線を妨げませんね。
■小技が効いたランタン用フック
調味料やランタンを置いておくのに便利な棚やフックですが、これがなかなか気が利いています。
ただのフックじゃありません。フックの下にネジが付いているので、ネジ穴付きのランタンならカラビナやループがなくても吊せるんです。
ネジ穴が合えばアクションカメラも取り付けられるので、手元を俯瞰撮影するなんて使い方も。
棚にはちゃんと縁があるので、少し斜めの地面でも安心して調味料を置けます。
焚き火調理に便利なフックは、高さの無段階調節が可能。
焚き火台には、どっしりとした大型五徳が付いていて、フックがあれば調理をしながら湯沸かしや保温ができるというわけ。あるとないとでは大違いです。
天板はパンチングを施したスチール製。軽量化と耐久性を絶妙に両立させています。当然ですが、熱々の鍋を置いても大丈夫。
■より自然にやさしい焚き火台に
よく燃えて調理もしやすいと評判のピラミッドグリルシリーズ「ピラミッドTAKIBI M」とほぼ同じサイズ・構造の焚き火台がセットされます。
「ピラミッドTAKIBI M」は高さが22cmですが、「MAKIBI マルチソロテーブル」の高さは28cm。火床は、ほぼ同じサイズなので、単純に高さが6cm高くなっていて、その分地面への熱の影響が低減されるというわけ。これはちょっとうれしいですね。
もちろん「ピラミッドTAKIBI M」だけのほうが軽快ですが、ポールを使わずテーブル+焚き火台だけで使えば、取り回しも楽ちん。安定感もあります。
焚き火台の土台でもあるテーブルフレームの脚はゲタ脚に見えますが、よく見ると緩やかな弧を描いている四つ脚。ゴロゴロとした石が広がる川原では、さすがにがたつきますが、キャンプ場のテントサイトであれば十分がたつきを抑えられます。
五徳には残念ながら串焼き用の穴はありません。とはいえ、火床を仕切るチャコールデバイダーや高さをかせげるラックなど、「ピラミッドTAKIBI M」のオプションは使えます。焚き火料理好きも満足することでしょう。
* * *
「MAKIBI マルチソロテーブル」をキャンプサイトにセットしたところ、料理から食事、焚き火まで、ソロキャンプのくつろぎ時間の大半を「MAKIBI マルチソロテーブル」の周りで過ごせました。
ランタンはもう少し高い位置のほうがいいかとも思いましたが、ソロならそれほど広範囲を照らす必要はなく、この高さで十分。クーラーボックスと小物を入れたボックスを横に置くだけ。雨で地面がドロドロになっているような状態でなければ、ソロなら他のテーブルやラックがなくても困りません。
「MAKIBI マルチソロテーブル」とローチェアがあればリビングが完成。“マルチ”という名に偽りなし。そう感じさせるテーブルです。
>> ロゴスコーポレーション
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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