【男前マルチツールの世界】
マルチツール。それは、手に収まるほどのコンパクトなボディにさまざまな道具を詰め込んだ“ハンドツール”。とかく専用ツールに比べ「間に合わせ」と思われがちですが、そこにはマルチツールだからこそ味わえる奥深い世界が存在します。
そんなマルチツールの男前な魅力を紹介する連載第25回は、LEATHERMAN(レザーマン)「Skeletool(スケルツール)CX」(1万9250円)です。
■すべてにおいて必要充分
マルチツールという言葉を産んだメーカー、レザーマン。1970年代、アメリカ人青年ティム・レザーマンは、妻と共にオンボロ車でのヨーロッパ旅行中にトラブルに遭遇し、プライヤーの付いたマルチツールの必要性を実感しました。その後、彼はマルチツールを自ら作り、数々のアイディアにあふれた製品を作り続けました。それらマルチツールは、日常、キャンプ、ミリタリーと活躍の場を広げていきました。
しかし、同様のマルチツールを作るメーカーは次々と現れ、レザーマンを凌ぐ性能や搭載ツール数を誇るアイテムも登場。時代は多機能性を喧伝した製品であふれかえりました。
ある時、ユーザーは気が付きました。
「そんなに機能があっても、重くてかさばっては、使い難し、携帯し難い」
そんなユーザーの声を受けて、2007年、フルサイズモデルのデザインと機能を一新するモデルが登場。それが「スケルツール」です。
ツールの数を削ぎ落とし、シンプルで使いやすく、美しいスタイルを具現化。それまでのゴツゴツとしたマッチョなイメージとは大きく異なるものです。
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