ソニー「VLOGCAM ZV-E10」の商品レビュー撮影モードを試してみた

■商品レビューなら特にお役立ちの機能

▲レンズ交換式の小型カメラ。本体のみで約299g

まずは基本機能を簡単に紹介。イメージセンサーはAPS-Cサイズなので上位機ではないですが、4K撮影もできるし自撮りやアングルキープに最適なバリアングル液晶モニタも採用。前方指向性の3カプセルマイクも搭載しています。

▲操作ボタンは少ないが高性能マイク内蔵、デジタル接続のMIシュー搭載

パワーズームレンズキットは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」もセットになっている隠れたヒットモデルです。動画撮影にゼロから買うならお得ですね。

▲自撮りも可能なバリアアングル液晶。YouTuber的にはこれはとても重要

やはり気になるのは「商品レビュー用設定」という機能です。商品レビュー撮影などで、画面手前の商品にピントを合わせたい時に使う設定で、オンにすると「AF時の顔/瞳優先」が「切」に固定されます。この設定はデフォルトではオフになっているのですが、カスタムキー登録でオン/オフを切り替え可能です。

▲カスタムキーで「商品レビューモード撮影モード」を使えるように

この機能を使って、9月23日に発売したばかりの「AirPodsPro(第2世代)」のレビュー動画を撮影してみました。

▲「AirPodsPro(第2世代)」のレビュー風動画でテスト

まずは、「商品レビュー用設定」を使わない状態で撮影。

「AirPodsPro(第2世代)のレビューをします!」とカメラにグイっと製品を大写しにするアレを試してみますが、僕の顔にピントが合ったままで、視聴者に見せたい商品がピンボケ状態。YouTube向けの動画撮影に顔認識/瞳AFは必須なのですが、この機能は商品レビューとは相反するということですね。

▲「AirPodsPro(第2世代)のレビューをします!」はピンボケ

▲「イヤホンのこの部分を見てもらうと…」も顔にピントが合っています

次に「商品レビュー用設定」をオンにして撮影。動画からキャプチャしたのがこちらです。

▲「AirPodsPro(第2世代)のレビューをします!」はクリア

▲「イヤホンのこの部分を見てもらうと…」もイヤホンにピントが合いました

YouTuberが商品レビュー撮影でやってしまいがちなピンボケ回避には必要な機能ですね。これ、僕が普段撮影に使っているソニー「α7Ⅲ」でも顔認識をオフすれば同じことができるんじゃ…?

▲ソニー「α7Ⅲ」でも同じシーンを撮影してみる

▲いつもどおり顔認識をオンの状態は商品はピンボケ

▲顔認識オフの状態がこちら

同じ効果を得られました。AFの設定次第で「商品レビュー用設定」のようにピントが商品に合うということですね。これはつまり、「VLOGCAM ZV-E10」は動画撮影に特化したカメラなので、商品レビュー撮影という分かりやすいシチェーションに向けて機能を独立させたということです。

商品レビュー撮影の機能はこれくらいですが、他にもYouTubeの動画撮影に特化した機能を数多く搭載しているので、やっぱり便利。一番重要な要素はバリアングル液晶モニタによる自撮り撮影で、ひとりでYouTube出演収録をしつつ常時カメラの映りや見切れなどを確認できるのは助かります。なお、この機能はフルサイズ機の「α7Ⅳ」にも導入されています。これからのデジタル一眼カメラ選びは、動画収録のことも考えて選ばないとダメですね。

▲ソニー純正のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」で自撮りもアリ

>> [連載]YouTuber、はじめました!

 

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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