全体にフラットな仕上がり。リブや折り曲げ加工はありませんが、どんな金属でも熱によるゆがみは生じるので、厚みでカバーしているということでしょう。
切り欠きのフック部分は深く、一度スリットに入ればしっかり保持します。組み立て中に外れてイラッとすることはありません。
パネル組み合わせ型では側板をはめている間に底板が外れてしまうことがありますが、「六花」は逆六角錐で底板がありません。これによってかなり組み立てが楽なんですね。
もっとも、どうしたって最後の1枚が差し込みづらい! ですが、焚き火台を横にして最後の1枚を一番上になるようにすると、角度を合わせやすくなりました。
雪の結晶のような美しいデザインのロストルを入れれば完成。薄型コンパクト収納ですが、40cmほどの薪が入るビッグサイズになります。
ちなみにパネル5枚でも組み立てられましたが、当然のことですがロストルは使えません。
■ロストルのおかげでよく燃える
ロストルのすぐ下に横長の空気取り入れ口が付いています。このおかげで組んだ薪の内側にしっかり空気が送り込まれるというわけです。
ロストルは隙間が大きく、灰や細かな熾は底に落ちますが、太くて燃えさかる薪はロストルの上に残ったまま。灰と薪の間に確実に空間を作っているんですね。
ただし、どうしても小枝やチップ状の焚き付けは落ちてしまうので、着火時には木の皮を敷いてその上に焚き付けを置くなど工夫が必要です。あるいは小枝が落ちることを想定して小枝をロストルに挿すようにしてもいいでしょう。
ロストルの分だけ浅くなり、薪が飛び出していますが、どっしりしているのでおいそれと倒れる危険はなし。安定感があります。
またロストルは固定されていないので、薪によっては斜めになる場合がありますが、斜めになったところで空気取り入れ効果は変わらないので、ご安心を。
薪の位置もロストルの分だけ高くなりますが、細かな熾は底に落ちてしまいます。断熱性の高い焚き火シートは必須。二枚重ねにすると安心です。
■ソロでもファミキャンでも使えます
キャンプ場で売られている薪をそのまま使えるので手間いらず。おまけに家族みんなで焚き火を囲めるサイズです。
それに、今どきのローチェアに座ったときに手を伸ばしやすい高さ。幅が40cmもあるので家族4人で火を囲むことだってできますね。
付属の五徳はシェラカップを載せるには不安定ですが、ケトルやメスティンなんかを載せるには十分です。
五徳の組み合わせ方は単純。最初は悩みますが、横棒を合わせるようにV字に組んでからまっすぐになるよう広げるだけです。
薪を切ったり割ったりすることなく、そのままくべられるのはやっぱり楽! パネルに沿って薪を立てかけるので、少ない薪でも炎が高く上がります。片側にだけ薪を置いても倒れることがないのも心強いですね。
焚き火台自体がワイドなので、付属の五徳を置いても脇から薪をいじるのにストレスはないし、なによりもシンプル! 多機能ではありませんが、薪をくべて足下から暖を取る、湯を沸かすなど、焚き火に求める最低限のことができる。
地面への熱対策はマストですが、気軽に持っていきたくなる焚き火台です。
>> ハイランダー
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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