■リアルタイム翻訳や文字起こしの使い勝手は互角
AIを用いた「リアルタイム翻訳」を利用できることも大きなメリット。外国人と話すときに通訳機として使えたり、外国語のメッセージを瞬時に日本語に翻訳できたり、逆に、日本語で入力したメッセージを外国語に翻訳できたりする機能です。前モデルのPixel 6/6 Proでも使える機能ですが、Pixel 7/7 Proには最新のプロセッサーが搭載されているので、翻訳に要する時間がスピーディになっているかもしれません。ただし、筆者は体感できませんでした。
プリインストールされている「レコーダー」アプリは文字起こし機能を備えています。日本語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語に対応し、録音とほぼ同時にテキスト化することもでき、録音後に再生しながらテキストを読むこともできます。この文字起こしも、従来モデルでも使える機能ですが、Pixel 7/7 Proでは、カナダのフランス語やアメリカのスペイン語など、対応言語が増えて、録音したデータの共有機能も強化されたようです。
こららの便利機能については、どちらのモデルを買っても同じように使えるはずです。
■どちらもストレスなく快適に操作できる
Pixel 7/7 Proはどちらもグーグルが独自に開発した「Tensor G2」というプロセッサーを搭載しています。前モデルのPixel 6/6 Proに初搭載された「Tensor」の2世代目のチップです。
実際の使用感としては、2モデルのパフォーマンスは互角。複数のアプリを起動している状態でのアプリの切り替えや、「カメラ」起動時の撮影モードの切り替え、画像編集など、やや負荷が大きいと思われる作業もキビキビとスピーディーにこなせます。他社のハイエンドスマホと同等の操作感と言っていいでしょう。
処理速度を比較するためにベンチマークも測定してみましたが、両モデルのスコアはほぼ同じ。ちなみに、前モデルのPixel 6 Proのスコアより、わずかに高い程度でした。
■電池持ちは前モデルから大きく改善
バッテリー容量はPixel 7が4355mAh、Pixel 7 Proは5000mAh。どちらも5Gスマホとして十分な容量で、とくにPixel 7 Proのバッテリーは「大容量」と言っていいでしょう。スペック上のバッテリー駆動時間はどちらも「24時間以上」。Pixel 7のほうがディスプレイが小さいので電池消費が少なめで、電池持ちとしては同等ということでしょう。実際の使用感としても、電池持ちは互角で、1日は余裕で持つように感じました。
実は前モデルのPixel 6/6 Proもバッテリー容量は同等でしたが、電池持ちに不満を感じたユーザーが少なくないようです。筆者自身も、Pixel 6 Proを使っていて、電池が1日持たなかったり、たいして使っていないのに電池が減ってしまったりと、不便を感じることがありました。新しい「Tensor G2」によって、電力消費の効率が向上したのでしょうか、Pixel 7/7 Proの電池持ちは、一般的なスマホと同じようになったと評価できそうです。
30Wの急速充電に対応し、約30分で最大50%まで充電できること、ワイヤレス充電や、ワイヤレス充電対応のデバイスに給電できる「バッテリーシェア」機能を備えていることもメリットです。
■Pixel 7、Pixel 7 Pro、それぞれに適しているユーザーは?
Pixel 7とPixel 7 Proの日常使いでの留意すべき差分は、ディスプレイとカメラでしょう。6.3インチ画面でも困ることはないでしょうが、ウェブや動画の見やすさを重視するならPixel 7 Proを選ぶのが賢明。カメラは、最大30倍で撮れる望遠カメラを生かせるかどうかを検討すべきです。個人的には、Pixel 7 Proは “全部入り” の満足感があり、Pixel 7との価格差の価値はあると感じています。
画面の大きさより持ちやすさを重視する人や、望遠カメラはそんなに使わないかも…という人は、Pixel 7を選ぶのが得策。カメラを除けば、機能面でPixel 7 Proに劣ることはほとんどなく、決して格下のモデルではありません。なのに、4万1800円も安いので、得した気分も味わえるはずです。
>> Google Store
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
【関連記事】
◆折りたためるスマホ「Galaxy Z Fold4/Flip4」がそろそろ買いの理由
◆ミッドレンジなのにハイエンド級な部分も!「AQUOS sense7」は高コスパな予感
◆片手で持てるハイエンド機!「Xperia 5 IV」はスペック比の価格が魅力的になる予感