■3枚パネルと底のシンプルな作り
「スリーフェイス」はパタパタと折りたためる3枚パネルの本体と、取り外し自在な底というシンプルな構成です。
底はオーテックキャンプの焚き火台「トライアングリル」の炭床と同じデザインで、パネルの1面に突起を差し込みます。隣のパネルには炭床を受ける棚があるのでそこに載せるだけ。組み立てはとっても簡単。
これだけで勘のいい人はわかるでしょうが、ベースとなる機能は火起こし器です。
3つのパネルは下のほうに横長のスリットが何本も入っていて、底やサイドから燃焼に必要な空気を効率よく取り入れてくれるようになっていることがわかりますね。
パネルを合わせて三角柱にしたらパネルの突起を穴に差し込みます。最後にハンドルを突起が生み出す四角い穴に差し込んでロック完了。
開けたり閉めたりしているうちに、ロックし忘れたまま火を着けてしまいました。ツメだけでも固定できていましたが、移動させるときは危険なので忘れずにハンドルをツメに合わせて!
4〜5人のファミキャンなら半分くらいの高さまで木炭を入れるとちょうどいい量。目一杯詰め込むと空気の流れが悪くなるし、大量に炭をおこしても使い切れません。
炭床のすぐ上(写真奥)に四角い穴が空いています。ここからトーチの火口を差し込むか、火を着けた着火剤を中に落とします。
よくあるチャコールスターターは上から着火剤を落とすしかありません。バーナーの熱を利用したくても、今主流のガスバーナーはチャコールスターターを載せるのは厳禁。この気配りがたまりません!
そして、焚き火シートや耐熱テーブルがあれば焚き火台としても使用OK。
煙突効果でよく燃える形状ですから、キャンプ最終日に立ち消えてしまって中途半端に燃えた薪を燃やし尽くすなんてことにも使えます。湿気が多い薪など火が着きにくい薪で焚き火をはじめるときの手助けとしても優秀ですよ。
■パネルを広げられるので風防としても活躍!
さて、火起こし器と焚き火台まではある意味予想通りですが、おもしろいのは広げて風防として使える点でしょう。
最近は焚き火台をシートやテーブルに載せるのがマナーとされているので出番は少なめですが、両側の足下には丸い穴が付いていてペグを挿して地面に固定できるようになっています。これもグッドアイデア。
片側140°開くのでかなり大型の焚き火台までカバーできます。
ただし高さが282mmなのでシングルバーナーや「トライアンドグリル」のように高さ200mmくらいまでの焚き火台でないと風防としての効果は望めません。それ以上に背が高い焚き火台では炭床に載せることを考えちゃいますが、その際は倒れず安定するか必ず確認を。
3つの面を組み合わせた火起こし器であり焚き火台、そして開けば風防にもなる。それが「スリーフェイス」。
木炭や薪への着火に使ったあとはお役御免となりがちな火起こし器を焚き火終わりまで使えるようにしているのがスゴイ。新たにキャンプ業界に飛び込んだ新しいブランドゆえ、“火起こし器とはこうあるべき”という概念を取り払えるのでしょう。
今後も「オーテックキャンプ」に注目です!
>> オーテックキャンプ
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介 撮影協力/-be- 北軽井沢キャンプフィールド>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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