■レトロデザインが最高過ぎるんだ
まずは「サウンドバーガー」について。オーディオテクニカが1980年代に発売していた、レコードを挟んで再生する同型レコード・プレイヤーの復刻版になります。当時のサウンドバーガーはイヤホンを接続する前提でしたが、復刻モデルはBluetoothによるワイヤレス接続対応。BluetoothスピーカーやBluetoothイヤホン・ヘッドホン、有線のライン出力でスピーカー接続にも対応。ちなみにスピーカーは内蔵していません。
レトロ調赤色ボディから“SOUND BURGER”と書かれているフォントまで、すべてが80年代。やってくれるぜオーテク!
ちなみにバッテリーを内蔵しているので、手軽に持ち歩けるというコンセプトがあります。バッテリーによる再生時間は最大12時間。
使ってみると、元のコンセプトどおり操作は簡単。
最初にトーンアーム固定ネジを抜いてから、スライド式のロックを動かして上蓋を開き、ゴムの45RPMアダプタを外してトーンアームを“カチッ”と鳴るまで横に開きます。
そしてレコードをセットし、33回転のLPレコードでは45RPMアダプタをレコードの上に配置。
あとは電源を入れるとレコードの回転がスタート…なのですが、トーンアームが固定されていると回転はしません。ここで再生先のスピーカーなどと接続。ちなみに今回はBOSEのBluetoothスピーカー「SoundLink Flex」を用意。
ワイヤレス接続まで完了し、トーンアームの固定を外せばレコードの回転がスタート。針を手動で動かしてレコードへとセットし、レコードセットの位置が端からズレると音楽が流れます。結構緊張する瞬間…。
アナログ特有のブチブチとしたノイズと共に、ゆったりと音楽が流れ始めたら、あとはもう音楽に浸るのみ…。
ちなみに今回再生したのは定番のノラ・ジョーンズ『Come Away With Me』(12インチアナログ盤)。いや~…もう最高なんですよこれ。アナログ感のあるナローな音がBluetoothスピーカーから流れて、そして「サウンドバーガー」に挟まれてレコードが回っている様子も眺められて…コレ、最高じゃないですか?
この「サウンドバーガー」、オーディオ的な音質云々を語るべき製品ではないのですが、ひとつだけ注意があります。実は「サウンドバーガー」側で音量調節ができません。そしてその音量が小さめに設定されているのか、Bluetoothスピーカーから流れる最大音量があまり大きくないんです。BOSE「SoundLink Flex」との組み合わせではBGM程度が限界でした。
あと、一般的なアナログ・プレイヤー、ターン・テーブル以上にレコードが丸出し状態で回転している訳で、外的衝撃に弱い点も要注意。
オーディオテクニカが創業60周年記念モデルとして発売した「サウンドバーガー」こと「AT-SB2022」。いやー、一度再生して音楽を流した時点で「買って良かった!」と思っちゃいました。一般的なレコード・プレイヤーより設置が簡単なので初心者にもオススメできます。
11月7日販売分は即完売しちゃいましたが、この「サウンドバーガー」こと「AT-SB2022」は、12月1日にも再販売されるとのこと。再び争奪戦が予想されますが、80年代レトロにぐっと来ちゃった人はぜひ購入を! 初めてのターンターブルに「サウンドバーガー」もアリですよ!
>> オーディオテクニカ
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube「オリチャンネル」
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