■バックの持ち運びは2通り+1
「ソロキャンプスタートパッケージ」の収納バッグはホイール付き。立てても寝かせても安定するので、道具を入れっぱなしにしてクローゼットの隙間に突っ込んでおけます。
コヨーテカラーの「オールインワンホイール」は1週間の旅にも使えそうなキャリーケース。外側のポケットなどまだまだ余裕があるので着替えや食材を入れてまとめて持ち運べそう。
階段や荒れた路面などホイールに頼れない場面では背負えます。これぞキャンプ仕様! ただし基本の道具だけで16kg、食材や着替えなども含めると…重い。ずっと背負って歩くためのショルダーハーネスではないのであくまで短距離移動向きと考える方がいいでしょう。
バッグのサイドには宅配便の伝票が入るポケットが。重量20kgまでに抑えれば、宅配便の140サイズで送れます。身軽に移動できるのが便利。
バッグを開くとこんな感じに詰まっています。収納されている道具たちは基本的に単品でも販売しているものなので、届いたばかりのバッグには段ボール箱に入ったままのものも。ぴっちり入っていますが、こうした箱類を取り除くとかなり余裕が生まれます。
旅行用のキャリーと同じでフタ裏はメッシュポケットになっていて着替えの収納に便利。土や灰で汚れがちな道具ときっちり分けられるのは助かります。
■キャンプの必需品が10点
肝心のキャンプ道具を確認していきましょう。
道具は全部で10点。テントはハンマーやペグもそろっていますが、ストーブの燃料缶はありません。不覚。
まさかLEDランタンは乾電池?と恐る恐る確認すると、こちらは内蔵リチウムイオン電池(取り外し可能)と単三乾電池のどちらも使えます。よかった…。
■テントと寝袋の実力は?
キャンプ初心者にとって一番気になるのはホントに寝袋で眠れるのか? テントって快適なのか? ということでしょう。
まずテント。フレームとインナーが一体化していて、センターフレームを持ち上げて上下のハブを合わせます。
収納状態でフックが外れていたのでインナーの天井がペタンとしていますが本来はフックを引っかけた状態で操作でき、ハブを組み立てるとインナーが完成します。
フライシートにリッジポールを取り付け、インナーにかぶせます。
ひとりで簡単にたてられました。どのフレームをどこに通すか考える必要がありません。意外に背が高く、前室は85Lのキャリーを置けるほど余裕があります。
ベンチレーターや前後の大型ドアパネルなどを装備していて、幅広い季節で活躍しそうです。
次はマット。収納袋の底にある樹脂製のパーツを、マットのバルブに取り付けて空気を入れます。収納袋に空気をためて、袋を丸めてマットに押し込むだけ。
また、袋に空気を入れようとするとちょっと大変ですが、収納袋に軽く息を吹きいれることで解決します。
ちなみにこの収納袋、ポンプ機能が注目されがちですが、口が大きくてマットを押し込むのが簡単。ベテランキャンパーにもうれしい仕様となっています。
テントにマットを敷いいたところ、周囲に各10cmほどの余裕がありますがほぼピッタリ。ワイドサイズでふかふかのマットは地面の硬さを意識しづらく、初心者も寝やすいようです。
ただ、晩秋のキャンプでは寒さに備えてテントの中と下にシートがほしいところ。キャンパーが経験を重ねながら工夫するしかありません。
洗濯機で丸洗いできる寝袋は0℃までの環境で使えます。雪が降らない温暖な地域なら冬キャンプでも使えそうに思えますが、寒さへの耐性はひとそれぞれ。冬キャンプでは追加ブランケットなど対策が必要かも。
とはいえセンタージップは潜り込みやすくて◎。
寝袋から手足を出せるのって結構便利。歩くときは裾を持ち上げて固定するストッパー付きなのでサイト周辺なら歩いていけます。
朝一番にコーヒーを淹れようと思ってもあたたかい寝袋を脱皮するのが面倒ですが、この寝袋なら身体が目覚めるまでそのまま過ごせるのがいいんです。
先輩たちにオーニング用ポールや追加の張り綱を借りていますが、自分だけのキャンプサイトに若澤も満足げです。
* * *
そのほかカトラリーや刃物、焚き火用トング、硬い地面用のペグ&ハンマーなど細々したモノは自分でそろえなくてはなりませんが、その“余白”は自分の手に馴染むものを選ぶ楽しみ。
それにこのセットだけだと現地で「焚き火をしたいけどライターがない」「クーラーバッグがないとビールがぬるくなる」といったちょっとした問題が出ちゃいますが、そのたびに「次こそは!」と俄然やる気が出る。適度に初心者を煽り、キャンプに出る回数を増やす。よくできたセットです。
>> コールマン
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介 撮影協力/-be- 北軽井沢キャンプフィールド>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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