ここからは、少し細かくトゥーラン Rラインを見ていきましょう。
まず、フロントとリアバンパーがRライン専用デザインとなり、ブラックアウトされたサイドスカートが付きます。フロントバンパー下部やサイドのエアインテークにはクロームのバーが付加され、ググッと華やかな印象に。グリルと左右のフロントドアには、Rラインのエンブレムが輝きます。ドアを開ければ、サイドシルにRライン専用ドアシルプレートが貼られるので、乗り込むたびに、ムフフ…とうれしく感じるわけです。
おっと、先走りました。スポーティルックなクルマは、後ろ姿も大事。ゴルフ トゥーランのRラインには、黒いディフューザーから2本出しのクロームデュアルエグゾーストパイプが飛び出し、存在感を主張します。
標準のタイヤサイズは、ハイラインと同じ218/55R17。オプションで225/45R18を履くこともできます。こちらはRライン専用の18インチアルミホイールに装着することになるので、選ばない手はないでしょう!(アダプティブシャシーコントロール“DCC”とのセットオプション)。
室内に目を転じると、シートはRライン専用のファブリックシート。クールな触感で、バックレストには「R」の文字が入ります。やや硬めの座り心地ですが、ロングツーリングには「このくらいの方がかえって疲れにくい」ことは、フォルクスワーゲン乗りなら常識(!?)です。
ステアリングホイールは、革巻きの3本スポークタイプ。足元のペダル類はアルミ調となります(滑りにくいよう表面にはラバーが貼られます)。
2列目シートは独立式で、フロントシートと遜色ないつくりのイスが3つ並びます。チャイルドシートが組み込まれたトゥーラン自慢の“インテグレーテッドチャイルドシート”は装備されません。前後に最大200mmスライドし、背もたれを前方に倒すことも可能。必要十分なアレンジを確保しています。
サードシートは、基本、子供用ですね。緊急用と割り切って、普段は折り畳んで使った方がいいかもしれません。倒すとシートの背面が、フロアとキレイに“ツライチ”になるので、ラゲッジスペースとしての使い勝手は上々です。
ホールド性の高い“R”なシートに座ると、黒基調のインテリアが目の前に広がります。走り始めると、室内の印象に違わない、締まった乗り心地が印象的。1.4リッターの直噴ターボは、わずか1500回転で25.5kg-mの最大トルクを発生します。だから、出足から力強い!
トゥーラン Rラインのステアリングホイールを握っていて楽しいのは、ドライバーの運転操作にキチンとクルマが反応していくれるから。エンジンは、“デッドリースムーズ”ではなく、スロットルを開ければそれなりに音が高まりますし、乗り心地も「ソフトに安楽」ではなく、鋭い尖りは丸めつつ、それなりに凹凸を伝えます。
適度に運転している実感を与えてくれるドライブフィール。極度にだらけた姿勢を許さないシート。ゴルフ トゥーラン TSI Rラインは、総じて乗員を甘やかさないミニバンですね。内も外も、走っても、キリッとしている。仕事用としてはもちろん、お子さんの教育にもいいかも(!?)しれません。
<SPECIFICATIONS>
☆TSI Rライン
ボディサイズ:L4540×W1830×H1670mm
車重:1560kg
駆動方式:FF
エンジン:1394cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:7速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:150馬力/5000〜6000回転
最大トルク:25.5kg-m/1500〜3500回転
価格:397万4000円
(文&写真/ダン・アオキ)
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