■高出力リヤモーター“eAxle”搭載の「RX500h」
最大の眼目というべきモデルは「RX500h Fスポーツパフォーマンス」。後輪用に高出力モーター“eAxle”を使ったAWDシステム“DIRECT4”搭載車です。
期待どおり、かなり楽しい思いをさせてくれるモデル。「形はSUVでもレクサスとして目指しているところは(セダンやクーペと)同じですから」と、大野貴明チーフエンジニアの説明になるほど、と思われました。
どこが良かったかというと、ダイレクトな操縦感覚です。走って、曲がって、そしてブレーキング、という3つの重要な点において、どれも高得点。
パワートレインはレスポンスが良くて、加速性に優れているし、エンジンが回ったときのフィールもなかなかのものです。
クラウンクロスオーバーRSアドバンストで体験済みの2.4リッター4気筒。
回転マナーと、それにともなうトルクの出方が気持ちいいうえに、音色やバイブレーションといった感覚的な部分でもよく出来ていると感じられます。
6段ギアボックス搭載なので、エンジン回転を上げていくとき、どんどんトルクが積み増しされていくいい感じが、ハイブリッドだけれど大事にされている印象です。
ステアリングホイールを動かしたときの車体の動きも、スポーティさにおいては、これまでのRXの上をいっています。
全高が1700mmあって、ホイールベースも2850mmと長い。それでいて、小さなカーブが連続する道を気持ちよく走れるのです。
車体の動きがドライバーである自分と合体したような感覚。
開発エンジニアは、シャシー、足回り、ステアリングシステム、それにパワートレインなど、あらゆるところを突き詰めていったというがよくわかる気がします。
後輪は操舵機構が備わり、小さなカーブでは後輪が前輪と反対の角度を向きます。
仮想ホイールベースは小さくなって取り回しがよくなります。さらに、コーナリング中に車体を外側に押しだすGの力を弱める効果もあります。
■快適な乗り心地のPHEV搭載「RX450h+」
新型RXには、プラグインハイブリッドシステムを搭載した「RX450h+バージョンL」(全輪駆動のみ)も設定されています。こちらの方が乗り心地を快適方向に振っている印象です。
あらゆる道を試したわけではないので、断言は禁物ですが、個人的には、RX450+バージョンLと、RX500 Fスポーツパフォーマンスの価格差が29万円(後者が高い)であれば、後者がファントゥドライブゆえ“買い”だと思いました。
燃費でいうと、RX450h+がリッターあたり18.8kmであるのに対して、RX500hは14.4km(ともにWLTC)です。
■ガソリンエンジン搭載の「RX350」
新型RXシリーズには、ガソリンエンジンの「RX350」も設定されています。実は個人的にはこれ、気に入りました。
エンジンは、RX500hと同じ2393cc4気筒ターボ。205kWの最高出力と430Nmの最大トルクを持つこのパワートレインがいい仕事をしてくれます。
最大トルクの発生回転域が1700rpmから3600rpmと広いこともあり、アクセルペダルを踏み込んでいくと、ぐんぐんと加速。そのとき気分がアガります。
「バージョンL」(前輪駆動と全輪駆動)と足回りがスポーティな「Fスポーツ」(全輪駆動のみ)の設定があり、私が乗ったのは後者です。
シャシーのチューニングもいいし、車重が150kg軽いというのもあるんでしょう。軽快な走りを堪能させてもらいました。
価格は、「RX350バージョンL」が664万円(前輪駆動)から、「同Fスポーツ」が706万円。「RX450h+バージョンL」が871 万円、「RX500h Fスポーツパフォーマンス」が900万円です。
>> レクサス RX
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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