AmazonのPB「アマゾンベーシック」で見つけた2302円マルチツールの実力やいかに

■アマゾンのPB商品は、お値段以上のアイテムか?

私はあまり梱包やパッケージに関心がないのですが、参考のため紹介します。カートンボックスに多国語で記された品名のみのシンプルな個装。

箱の中には、これまた多国語で記された取扱説明書と、ナイロンケースに入った製品が入っていました。ナイロンケースにはベルトループがあり、ベルト等への装着が可能です。

▲折り畳んだ状態での全長は約104mm、重量約200g

ツールはすべてステンレス合金で、ハンドルカバーはアルマイト処理したアルミ合金。各ツールの仕上げや組み立ての品質は標準的だと思います。サイズは携帯性に優れたミドルサイズ。ハンドルは角のない全体的に少し丸みを帯びた持ちやすいデザインです。ただ、サイズのわりには重量感があります。

▲カラビナフックはベルトループに掛けやすい

外観での最大のポイントであるカラビナフックは、携帯時にベルトループに引っかけたりするもの。フックはツールのセンターに配置されているので安定感がありますが、フックの蓋になるパーツは針金を曲げて作ったような簡易なものです。本物のカラビナのような使い方はできません。

▲プライヤーのワイヤーカッターでは1mm以下の鋼線がカット可能

メインツールのひとつであるプライヤーはバネ式の開閉機構があり、ニッパーのように閉じたり締めたりを簡単に行えます。先端のニードルプライヤーにはしっかりと溝が刻まれているので、細かなものを保持することも可能です。最近はバネ式のプライヤーが安価なモデルでも増えた印象がありますね。

▲ナイフの全長は約63mm。両刃仕様

もうひとつのメインツールであるナイフはサムホールが付いたタイプ。片手でオープンできます。切れ味はお世辞にも良いとは言えませんが、価格を鑑みると標準的かと思います。

プライヤーを除く全てのツールがハンドルの外側にありますが、ナイフだけロック機能が装備されています。完全に開くと自動でロックがかかり、収納する際は、赤丸部分のバネ板を下に押し下げながらナイフを閉じます。同じ刃物系でもノコギリには付いていません。

▲荒目の刃が付いたノコギリ

刃渡りはナイフ同様約60mm。荒目の刃が付いています。ツールの厚みは充分にあるので、厚さ15mm x 幅30mmくらいの角材は簡単に切れました。木の枝を切るのであれば、充分に使えると思います。

▲ナイフとノコギリ以外のツール

切る以外のツールとしては、マイナスドライバー、プラスドライバー、缶切り、栓抜きなどが付いています。

マイナスドライバーは、こじ開ける仕事にも使えます。

プラスドライバーは平たいものですが、さほどトルクを掛けないのであれば充分使えると思います。

 

■DIYやアウトドアに興味ないけど一本あるとはかどるアイテム?

お値段以上か? という問いに対して答えるなら、「お値段なり」でしょうか。良い意味で。

確かに2000円ちょっとでこれだけの機能があるマルチツールが手に入るというのは、コスパが良いことに間違いはありません。不満に感じるポイントはひとつもありません。ロック機能を一部オミットすることでコストを下げようとする努力の一面も見えますし、デザインや機能面で使い難さを感じることはありませんでした。

amazon basicsというプライベートブランドのコンセプトは、必要充分の機能と、リーズナブルな価格であると思います。そういう意味で見るとこのマルチツールは、まさにamazon basicsらしい一品と言えます。

贅沢な素材や機能は要らない、マニアックなツールも要らない、とりあえず簡単に使えれば充分、と考えていて、近々キャンプに行く予定のある人は、アマゾンでポチって見てはいかがでしょう。

ギア沼への最初の1歩か、それとも最後の1本か。それは使う人の体験や感想にもよりますが、最初の1本としては、ちょうど良いマルチツールだと思います。

>> Amazon.co.jp「amazon basics」

 

>> [連載]男前マルチツールの世界

<取材・文/GOL

GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。

 

 

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