■50V型、43V型のベストバイモデルは?
今回レビューしてきたチューナーレステレビ4機種+スマートテレビ1機種をそれぞれ評価コメントしていきます。
1. ドン・キホーテ「TSM-5001U4K」(店舗上限価格:3万8280円)
チューナーレステレビのブーム火付け役でもあるドン・キホーテの50V型モデル「TSM-5001U4K」。今回紹介した各機種のなかでも最もメジャーな存在です。50V型モデルで店舗上限価格が税込み3万8280円で最安値ということもあり価格評価は5点です。
価格:5 画質:3.5 音質:3.5 拡張性:4 機能性:4.5 レスポンス:3.5
総合点:24点
実機を試した感想としては、価格の安さもありYouTubeなどネット動画視聴向けの画質としては必要十分。高コスパで納得感のある出来です。ただ、音質と操作レスポンスの引っかかりは、使っていて気になるポイントでした。チューナーレステレビの定番モデルではありますが、レスポンスはスマホ連携でカバー、音質はスピーカーを外付けなど、ひと工夫して使いこなしたいところです。
2. ゲオ WIS「AX-MSK50」(3万8280円)
ドンキと並ぶチューナーレステレビのメジャーブランド、ゲオ。「AX-MSK50」は50V型モデルで税込み3万8280円。50Vというサイズでドンキと並んで4万円を切る価格は、もちろん5点でトップタイです。
価格:5 画質:4 音質:3 拡張性:4 機能性:4.5 レスポンス:4
総合点:24.5点
どうしても同価格のドンキと並べて比較してしまう本機ですが、機能面では操作が安定していてレスポンスはやや優位。ただ細かなところですが本機のみWi-Fiが2.4GHz専用という点に注意。また、内蔵スピーカーの音質が厳しいので、第4回の記事でも紹介した外付けスピーカーの使用推奨です。弱点もカバー方法もハッキリしているので、コスパ重視では選びやすい機種でしょう。
3. イオン ORION「AEUD-50D」(4万3780円)
イオンが発売中の“ORION チューナーレススマートテレビ”「AEUD-50D」。昨年&GPで検証したオリオン「SAUD501」と中身は同じ50V型モデルです。
価格:4.5 画質:4.5 音質:4 拡張性:5 機能性 4.5 レスポンス:5
総合点:27.5点
評価のポイントは、全方位でソツなく作り込まれた完成度。画質はトップではないけれど明るさも色バランスも良く、音質も良くはないけどチューナーレステレビとしては許容範囲。拡張性はHDMI端子が最多の4系統、eARCも対応でサウンドバー接続時にはDolby Atmos対応とトップ。50V型で4万3780円という価格は、ドンキやゲオより約5000円高いのですが、差額にも納得できるはずです。
4. エディオン TCL「43P63E」(4万9800円)
大手家電量販店のエディオンがTCLと共同開発したモデルが“Google TV搭載4Kチューナーレステレビ”。5万円以下という条件で選出した43V型「43P63E」は、今回紹介する機種で最も高価になります。
価格:3 画質:5 音質:5 拡張性:4.5 機能性:5 レスポンス:5
総合点:27.5点
中国の世界的テレビメーカーTCLが作っているだけあって性能面は別格。明るく表現力も作り込まれた画質は5点、単独でDolby Atmos対応で臨場感ある音質も5点、Google TV搭載で機能性も唯一の5点、レスポンスも最高の5点と最高点を連発。ただ、50V型ではなく43V型で直販価格税込み4万9800円はチューナーレステレビとして安くはありません。43V型で完成度の高い機種を探している人、ネット機能などを徹底的に使い込みたい人にはイチオシです。
5. ハイセンス「43A6H」(実勢価格:4万7300円)
チューナーレステレビと同価格帯で購入できる4Kチューナー搭載のスマートテレビ、ハイセンス「43A6H」。家電量販店などで購入できる大手メーカー製であり、地デジや4K放送を視聴できるという時点で別格の存在ですが、今回はチューナーを考慮せず採点しています。
価格:3.5 画質:5 音質:5 拡張性:3.5 機能性:3.5 レスポンス:3.5
総合点:24点
評価の得点は得意・不得意がはっきり現れました。画質は最高点の5点評価。画面の明るさは今回紹介した5機種で最も暗いものの、色の正確性や質感表現でカバー。IPS系のADSパネル採用で、視野角が広い点も隠れたメリット。内蔵スピーカーの音質の良さも最高点です。
一方、Android TV(Google TV)搭載ではないところがチューナーレステレビと比べるとさまざまな点で不利。YouTube、Netflix、プライム・ビデオなど主要ネット動画はカバーするものの、アプリ導入はナシ。Bluetooth接続非対応など「チューナーレステレビではなく薄型テレビ」という作り込みで、拡張性・機能性・レスポンスの評価は伸びず総合評価24点に落ち着きました。ただ、今回の採点はチューナー部を加点せず付けているので、やっぱりテレビ視聴も捨てがたいという人には、この価格は魅力です。
* * *
単純に数値化すると高い低いが出てしまいましたが、購入を検討するにあたっておそらく最も気になるのは“価格”ですよね。大まかな予算があり、その中で機能比較して購入モデルを決めるというのが一般的ではないかと思います。今回は同サイズではなく、“5万円以下で買える”という条件で機種をピックアップ。結果として、50V型と43V型の2サイズがラインナップすることになりました。また、5万円以下という条件で購入可能なチューナー付き4Kテレビも特別に加えています。地上波テレビ番組をTVer経由ではなく普通に見たいという人には大きな選択肢になるのではないでしょうか。
ネット動画の台頭によりテレビも役割が変わってきています。新生活にあたりテレビも新たにしようと思っている人は、ぜひ今回の記事を参考に検討してみてください。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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