■Bowers & Wilkins(B&W)「Pi7 S2」
英国アビーロードスタジオにも設置されている世界的なスピーカーブランド、Bowers & Wilkins(B&W)。同社の手掛けるハイエンド完全ワイヤレスイヤホンが「PI7 S2」。前モデル「PI7」から引き継がれた付属の充電ケースがBluetoothトランスミッタになるギミックもユニークなモデルです。
B&Wの完全ワイヤレスイヤホン最上位機種だけあり、9.2mmダイナミック型ドライバーとBA型ドライバーを搭載した2ウェイの高音質設計。周囲の騒音を分析して最適化される“アダプティブ・ノイズキャンセリング”対応と今どきの機能をカバーしています。そして唯一無二の機能が付属の充電ケースにあり。3.5mmステレオミニやUSB-Cの有線接続した外部機器の音を完全ワイヤレスイヤホンでリスニングするという汎用性も備えています。
音質は、圧倒的なボリューム感を備えた低音、そして音楽の真っ只中にいるような空間を上手く上げるサウンド。解像感に振り切らないナチュラル志向で、集中すると音数多く聞けるタイプです。また音場の広さがとても優秀で、普段聴く音源もライブ風に聞けるほど。特に密度感ある低音と臨場感を求める人に聞いて欲しいサウンドですね。
▼ここが○
・空間の広さとライブ表現重視のサウンド
・トランスミッタ機能がゲーム機接続などに○
・デザインも上質で美しい
▼ここが✕
・音質イコライジング機能がない
・ノイズキャンセルの調整は手動が良いかも
Bowers & Wilkins(B&W)「Pi7 S2」
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX Adaptive
アクティブノイズキャンセル:◯
外音取り込み:◯
最大再生時間(イヤホン単体):5時間
最大再生時間(ケース込み):21時間
マルチポイント接続:ー
3Dオーディオ:ー
低遅延モード:ー
防水:IP54
ワイヤレス充電:ー
実勢価格:6万3800円
■JBL「TOUR PRO 2」
米国の老舗オーディオブランド JBLが送り出す最新ハイエンド完全ワイヤレスイヤホンが「TOUR PRO 2」。世界初のタッチディスプレイを搭載した“スマート充電ケース”が付属するほか、多機能に振り切ったモデルです。
まず目を引くのは、やはり“スマート充電ケース”。完全ワイヤレスイヤホンと連動して、再生/停止などの基本操作、ノイズキャンセルや外音取込み、それだけでなくイコライザプリセットの切り替え、空間オーディオ機能“Spatial Sound”などさまざまな機能を手元で操作可能。アプリからは聴覚テストでサウンドを補正するパーソナライズ機能“Personi-Fi 2.0”も利用可能です。
デフォルトのサウンドは低音強めで空間志向の洋楽志向のバランス。ただ、「TOUR PRO 2」の真骨頂は、“スマート充電ケース”からも手軽に切り替えられるEQの適用が前提のように思えます。フラット志向なら“STUDIO”、J-POPやロックなら“CLUB”から始めて、自分好みに音質をカスタマイズして聴きましょう。
▼ここが○
・手元操作できるスマートケースが想像以上に便利
・EQ、Spatial Soundなど音質カスタマイズが豊富
・トレンド機能を網羅する多機能ぶり
▼ここが✕
・ハイレゾワイヤレス対応なしが気になる
・装着してひねるフィット法はひと癖あり
・ノイズキャンセルの強度はほどほど
JBL「TOUR PRO 2」
対応コーデック:SBC、AAC
アクティブノイズキャンセル:◯
外音取り込み:◯
最大再生時間(イヤホン単体):10時間
最大再生時間(ケース込み):30時間
マルチポイント接続:◯
3Dオーディオ:◯
低遅延モード:◯
防水:IPX5
ワイヤレス充電:◯
実勢価格:3万3300円
■SOUNDPEATS「Capsule3 Pro」
ネット通販で人気急上昇中のイヤホンブランド SOUNDPEATS。「Capsule3 Pro」は、通常時の参考価格が9980円、セール時には7000円台で購入できるというお手頃価格にも関わらず機能が揃ったコスパ志向のモデルです。
注目ポイントはやはり1万円以下としては異例の高機能。ノイズキャンセリング方式には1万円以上の機種に多い“ハイブリッド方式”を採用し、可聴域最大43dBの効果を実現。LDACコーデック対応による96kHz/24bit、最大990kbpsのハイレゾワイヤレス伝送にも対応しています。アプリからは10バンドのEQ機能やゲームモードも設定できます。
サウンドは、クリアに伸びる歌声、量感ある重低音とJ-POPやロックの聞きどころを押さえた躍動感ある弱ドンシャリ志向。デフォルトのセッティングでも臨場感があり音楽を楽しく聴けるし、アプリでカスタマイズするのもアリ。音質に対するコスパが優秀な一台です。
▼ここが○
・音質もノイズキャンセルも実力十分
・ノズルの伸びるイヤホン形状もフィット感良し
・セール時には7000円台のお手頃価格が最高すぎる
▼ここが✕
・LDACの音質優先設定は音途切れに注意
・耳元でキラキラし過ぎかも
SOUNDPEATS「Capsule3 Pro」
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
アクティブノイズキャンセル:◯
外音取り込み:◯
最大再生時間(イヤホン単体):8時間
最大再生時間(ケース込み):52時間
マルチポイント接続:ー
3Dオーディオ:ー
低遅延モード:◯
防水:IPX4
ワイヤレス充電:ー
実勢価格:9980円
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
【関連記事】
◆Anker、SOUNDPEATS、AVIOT、NUARL 新作完全ワイヤレス一気聴きレビュー
◆80年代リバイバルなORIONの「ラジカセ」をレビュー。SONY、AXIA、maxellのカセットで音質比較も
◆ソニーの最新"ながら聴き”イヤホン「Float Run」レビュー。骨伝導、Oladanceとの音質比較も
- 1
- 2