■あらゆる点が特別なモデル
911GT3は、911を使ったレースである「ポルシェカレラカップジャパン」のような、レースのための車両、といってもいいモデルです。
ワイドな車体にパワフルなエンジン、軽量化された車体各部、ロールケージの装着、さらにタイヤやシートなど専用部品の採用と、あらゆる点が特別です。
レース用の軽量バケットシートに体を押し込めて、アクセルペダルを踏むと、水平対向6気筒エンジンによる独特のサウンドが車内に響きわたります。
サーキット前提で開発されていますが、一般道でも乗れます。最近では、大型のスワンネック型リアスポイラーなどを省いた「ツーリングパッケージ」なるおとなしい外観仕様も。
やっぱり多少は派手に見せたいよね、ってひとは、迷わずエアロパーツで“武装”した仕様をどうぞ。
■静止から時速100kmまでの到達時間3.3秒
ドライバー前のエンジン回転計では目盛りが1万回転まで刻まれていて(まるでレースカーなみ)レッドゾーンが9000rpmから始まります。
派手な演出だなあと思うはずですが、じっさい、最高出力の発生回転数は8400rpm。シャーンっという感じで、軽くスムーズに回転が上がります。
加速感は、弾丸のイメージです。1418kgの車重に470Nmの最大トルクですから、速い速い。パンッと飛び出します。静止から時速100kmに達するのに3.3秒しかかからないというだけあります。
スポーツカーにちょっとでも乗ったことがある人ならご存知のように、その良さはドライブしている自分との一体感にあります。
■自分が道路の上を走っているようなダイレクト感
ポルシェ911がなんでこんなにもてはやされているかというと、さらに一体感が強く感じられるからです。自分が道路の上を走っているようなダイレクト感。
とりわけ911がすごいのは、ステアリングホイールを握っている手に、いま走っている路面の状況がばっちり伝わってくるところ。これは、誰もまねできないし、クセになります。
なので、ベースモデルの911カレラでも十分楽しいんですが、よりピュアな道具感を愛する人なら、GT3を追求してもいいでしょう。
さらに、サーキットでのパフォーマンス向上を謳った911GT3RSというモデルまで登場しています。
386kW(525ps)の最高出力もさることながら、巨大なスポイラーを装備したRS。さすがに公道で乗るには、GT3が限界かも。
ポルシェは知っています。RSなんて究極のモデルがあるから、911シリーズ全体の魅力が上がるってことを。商品不足でなかなか買えない911。予算を含めて幸運な1人になりたいものです。
【Specifications】
Porsche 911 GT3
全長×全幅×全高:4573x1852x1279mm
ホイールベース:2457mm
車重:1435kg
エンジン:3996cc 水平対向6気筒
駆動方式:後輪駆動
最高出力:375kW@8400rpm
最大トルク:470Nm@6100rpm
変速機:7段ツインクラッチ
価格:2438万円
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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