■背もたれサポート力は上々
まずは組み立て。
背もたれと座面の防水シートは一体型で、背もたれのトップはたっぷりパッドが入っていて期待大。アルミフレームは思った以上にゴツいですが、すべてコードでつながっているので組み立てに迷うことはないしパーツを紛失することもありません。
あっという間に完成です。
軽バン(ハイゼットカーゴ)ベースの車中泊カーで、フロア奥行きは178cm。思った以上に場所をとります。
というのも、フレーム部分が四角錐っぽくなっていて後ろに大きく飛び出ています。組み立てた状態ではクルマの壁に寄せにくい形状なんですね。
ハイエースやキャラバンクラスなら問題なさそうですが、軽バンの場合、バックドアを閉めた状態では助手席を倒してそこにフレームを載せるようにしないと窮屈に感じてしまうかも。
車中泊ではフロア一面をフラットにして、マットを敷き詰めます。「ラウンジャー GL チェア」は座面にパッドが入ってないので、どうなのかと思いましたが、これが都合がいい。敷き詰めたマットのおかげでおしりがいたくなることはないし、長さがあわなくてもしなやかなシートなのでくるっと丸めるかたたんでおけばいい。
フロアにマットを敷き詰めるのではなく2枚重ねにして「ラウンジャー GL チェア」を載せ、ちょっとしたローチェアっぽくすれば長時間のPC作業によさそうです。
フレームの角が集中してマットやフロアに当たらないのも◎。ただし、写真のようなSUP構造のマットやクローズドセルマットなら問題ありませんが、登山用の薄手生地を使ったエアマットに載せるのはやめたほうがいいかも。
車内なら、壁にクッションを当てれば背もたれを作れるじゃないかと思えますが、それだと写真のように机に向かってフロアの真ん中に座るときは役に立ちません。
また、キャンプ用の座椅子は古くからありますが、「ラウンジャー GL チェア」はそれらよりも背もたれのサポート力が段違いにイイ。ほかのENOチェアのように背中全体を包むようなイメージ。
PC作業には深く座って背もたれを立ち気味の角度に、一息ついてノビをするなんてときは浅く座って肩と首を背もたれに預けるなんてことだってできるんです。
背もたれは「ラウンジャーDL」のようにトップにたっぷりパッドが入っていて肩~首を支えてくれます。極浅く座れば後頭部を支えることだってできますよ。
背もたれ裏側のメッシュポケットは、全体を生地に縫い付けているのではないので小物を入れても座り心地に影響はありません。車内ではケーブル類を入れて整理するのにいいかも。
ハンモックが身体全体を包み込むのに対し、「ラウンジャーDL」はおしりから頭までを包むチェア。「ラウンジャー GL チェア」はさらにそぎ落とし、潔く腰から肩までをサポートする“背もたれ”です。
芝生やビーチはもちろん、マットを敷き詰めるのが前提の車中泊やテント内で、フロアやテント生地を傷めることなくリラックスタイムを演出してくれますよ。
>> ENO
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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