北欧は世界有数のコーヒー消費量が多い地域です。
スウェーデンでは、コーヒーが普及した18世紀には何度か“コーヒー禁止令”が発令されたそうですが、にも関わらずスウェーデンでは現在も毎日、午前と午後に仕事や勉強の手を止め、家族や仲間との時間を楽しむコーヒーブレイク=フィーカという文化を大切にしています。
そんな生活にコーヒーが深く浸透しているスウェーデンでの伝統的なコーヒーの淹れ方が“焚き火コーヒー”。山仕事をする人たちが、フィールドで水をくみ、粗挽き豆をいれたヤカンを焚き火にかけて煮出していたそうで、パーコレーターやドリッパーなんてものがない時代のコーヒーの楽しみ方です。
必要な道具はケトルと焚き火台だけだから、あまり小物を持っていきたくないキャンパーにとって実に魅力的な淹れ方でもあるんです。
スウェーデン式の焚き火コーヒーを現代に復活させたのは「レンメルコーヒー」なんですが、なにも「レンメルコーヒー」の豆とケトルを使わなくても焚き火コーヒーはできるはず。
ただ、期待以上に不安が大きいのも事実。
なんてったって“煮出す”わけですから、パーコレーターに似た味になるのかも? 焚き火にパーコレーターをかけた人ならイメージできるでしょうが、ポコポコがおもしろくて眺めているとあっという間に飲み時を佚(いっ)してしまい、香りもなく苦いだけのコーヒーになっちゃうんです。
そこで&GP編集部のコーヒー好きでコーヒーマイスターの資格も持っているらしい円道が、焚き火コーヒーをおいしく淹れるにはどうすればいいか、試してみました。
■焚き火の熱に負けないケトル
樹脂や木などを使っていない焚き火の熱に強いケトルが必要です。THE IRON FIELD GEAR「タキビケトル」はホーロー製で、名前の通り焚き火にかけても穴があくこともどこかが溶けることもありません。
スウェーデンのちょっとレトロな家庭用ホーローケトルにも似たようなデザインがあり、雰囲気よし。
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