■円道的焚き火コーヒーの淹れ方
コーヒーにはいろいろな淹れ方があり、自分好みの淹れ方を探求するのが楽しいのはご存じの通り。
焚き火コーヒーも同じで、焚き火コーヒーの伝道師である寒川一さんは沸騰後に冷水を入れたり、ケトルを持った腕を回して遠心力で豆を沈めるし、火にかけたりおろしたりを繰り返す人もいます。要するにお作法は人それぞれなので、まずは円道が思い描く焚き火コーヒーを、好きなように淹れてみました。
①ケトルに粗挽きの豆(中煎り)をたっぷり入れる。シェラカップ半分くらい
②ケトルに水を注ぐ。目分量でおおよそ1L分
③焚き火にかける。焚き火の真上というよりは、脇に置いて時間をかけて沸騰させる
④沸騰したことを確認したら火から下ろして、そっとカップに注いで飲む
「焚き火コーヒー」と聞いて、だれもがイメージする淹れ方です。
「挽いた粉を直接お湯に入れるというのは、豆の品質チェック時に行う“カッピング”と同じなんですが、カッピングの場合は粉にお湯を注ぎます。対してスウェーデンコーヒーは水に粉を入れて沸かすので、沸くまでにある程度コーヒーが抽出されるってことなんですよね。いやー、予想に反してかなりおいしかったです」(円道、以下同)
いろんなお作法で楽しめばいいけれど、やらないほうがいいことは?
「煮出しちゃうとエグみも出ちゃいます。沸騰したらすぐに火から下ろすほうが、おそらくおいしくなるのでは。粗挽きを使っているのは、長時間、粉が水に触れるからでしょう。粗挽きだと粉の表面積が小さくなるので、濃くなりすぎない。濃くて苦味のあるしっかりしたコーヒーにしたいなら、時間をかけて煮出すよりは粉を中挽きとか中細挽きにするといいかもしれません。そしてポイントは沸いたら火から外す」
「ヤカンを焚き火にダイレクトというワイルドさがいいし、面倒なことをしたくないって人にはぴったり。だって挽いた粉を持っていけばいいだけだから。大人数で、大量にコーヒーを淹れたいなんてときにオススメですね」
一見、雑な淹れ方ですが、繊細にもできる。自分が家元になった気分で焚き火コーヒーを追求してみませんか。
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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