旭川の中心部からクルマで約20分、小高い丘に旭山動物園はあります。15万1000㎡の敷地にはおよそ150種、750点もの動物が飼育・展示され、来園者は年間150万人以上(2015年実績)。ぶっちゃけ、公立の動物園の中でも突出して広いわけでもなく飼育点数も多いわけでもない。入場料は大人820円とリーズナブルですが、実は上野動物園の方が安い(600円)。なのになぜ人気なのか? それは動物の「見せ方」に秘密があるようです。
国内外にはさまざまな動物園がありますが、近年多く取り入れられている展示手法が「行動展示」。これは動物が本来持っている生態や行動をそのままに展示するという手法で、国内では旭山動物園が先駆けて取り入れたそう。
具体的な話は後々に書くとして、ひとつハッキリしているのは、動物に何か芸をさせるとか、来園者と触れ合うとか、そういった類いのことが一切ありません(家畜・ペット種は別)。確かに野生種の動物たちは、自然の状態ではそんなことしませんものね。
■旭山動物園の楽しみ方のポイント
動物園は丘陵地にあるため坂が多いので、無駄にウロウロするのはお勧めしません。効率よく見るためには事前に「もぐもぐタイムの時間」と「動物が寝室に入る時間」をチェックするのがポイント。
「もぐもぐタイム」とは、飼育員がエサを与えながら行動や習性を説明する時間で、実施する動物ごとにタイムスケジュールが異なります。また、寝室に入る時間も動物によってまちまちなので、遅めの時間に見に行ったらもう部屋に入っていた、なんてことになりかねません。さすが行動展示の動物園だけあって“動物ファースト”が徹底しています。
確実に見たいのであれば見学スケジュールをあらかじめ決めて、効率よく回れるようにしましょう。今回は、旭山動物園の中でも人気のペンギン・アザラシ・ホッキョクグマのもぐもぐタイムを基準に、園内を回ることにしました。