■シェルターと陣幕が1セット
「HORUS SOLO T/C」はいろいろなカタチに変わるマルチぶりが注目されていますが、その理由は、ひとつの幕ではなくシェルターと陣幕に分かれているから。これらをそれぞれ単体で使ったり、組み合わせたり、つないだりして好みのカタチを作れるんです。
シェルターも陣幕もはっ水加工を施したT/C製で、スチールペグを同梱しているので、コンパクトなサイズですがズッシリ。ソロ用テントだし…と軽い気持ちで手に取ると、肩がもげそうに思えます。
アルミ合金のメインポールとサブポール、自在付きの張り綱、ペグもそろってすぐに設営OK。
張り綱に取り付けられた金具はグレーとブラックがあり、グレーのほうが長くなっています。一目で長さを見分けられるのが親切です。
では、さっそく取りかかりましょう。
シェルターは6角形で使用サイズは300×250×H160cm。ポールで突き上げるのは中心部分ではなく前寄りになっていて、後部の奥行きは150cmと少し広くなっています。
シェルターの両サイドにはロゴがプリントされたパネルがあり、そのパネルに挟まれた面が入り口です。2本のファスナーが装備されているのでどちらかを利用してもいいし、跳ね上げもOK。
さて、この手のサイズのシェルターにしては付属の陣幕が大きく見えます。
陣幕は三角部分の幅が各170cmで、中央の四角い部分が200cm。高さも130cmで、シェルターをすっぽり目隠しできるんです。ファミリーキャンパーで時々ソロキャンを楽しむ人なら、ファミキャンで使ってもいいかも。
ちなみに上の写真、たてたぜ!といった満足げな顔をしていますが、ベンチレーターを閉じたままです。使うときは忘れず開きましょう。
■テントのカタチを変えてみよう
シェルターと陣幕のスタンダードな姿がわかったところで、いよいよマルチぶりを体験!
ロゴ入りパネルの外側には意味深にファスナーが付いていて、これを開くと幕が大きく広がります。陣幕で使ったサブポールを使ってキャノピーを立ち上げれば、奥行きが70cm拡大!
キャノピーには仕切り幕が付いているので、キャノピーを張り上げても就寝スペースを確保できるし、仕切り幕を巻き上げれば広々優雅に過ごせます。
サブポールをキャノピー立ち上げに使ったら陣幕が使えず、無駄になるじゃないか…とがっかりしてはいけません。
陣幕をトグルでキャノピーとつなげば壁になるんです。
しかも…なんということでしょう、シェルターの入り口だったファスナーを開くことで天井がガバッと開く!
ふたつのトップベンチレーターを開いた状態で天井を開き、幕から30cm以上離れた場所であればSOTO製のガスバーナーやガスランタンを使用可能。
他社では一時、講習を受けた人だけが手にできる炭火対応シェルが発売されていましたが、「HORUS SOLO T/C」はそういった縛りは一切なし。誰もがSOTO製ガス器具を使えるテントというのは画期的なコンセプトです。
なお、雨の日は素直に天井を閉じ、幕の外で火器を使いましょう。
どこから出入りするか不安になりますが、陣幕のサブポールを取り付ける辺にファスナーがあります。ご安心を。
なんなら、このファスナー2本を開いて手持ちのポールで跳ね上げ、リビングスペースをさらに拡大することもできますよ。
■天井が開くとのびのび過ごせるし開放感抜群
四方を幕に囲まれているのに天井だけぽっかり開いている不思議な空間は、どんな風に使えばいいのでしょうか?
中に入ってみると、隔絶された世界でありつつ開放感があります。見知らぬ人の視線を気にせず過ごせるので、シャイな人向き。
あるいはこっそりキャンプイベントに参戦していて、うっかり知人と顔を合わせないようにするのにも使えそう。
パックラフトや自転車みたいに、外に出しっぱなしにしたくない道具を収納しても、天井が空いているから圧迫感がありません。
天体観察が趣味の人はほかのテントの明かりを気にせず夜空を見上げられるし、冷えてきたらコーヒーを沸かせるのも快適です。
なんといっても仕切り幕で寝室を確保できるから、食品だけ片付ければ火器やら食器やらを放置したまま眠りにつけます。
後部がガバッと開くので、夏の風通しも良好。ただし、雨の日は無防備なので、後部ファスナーを使って出入りすると寝袋が水浸しになる危険あり。ご注意を。
* * *
いろんなカタチに変わって火器まで使えるという掟破りの幕、「HORUS SOLO T/C」は、老舗テントメーカーとは一線を画したプロダクト。「Hinoto」の柔らかな光に包まれたリビングで、気軽に手元で湯沸かしができるのは最高です。
>> SOTO
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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