安全性に加えて通気性もバツグン!ツーリングを快適にするアライの最新ヘルメットをお試し!

■クラシカルな見た目と快適性を両立

もうひとつ試してみたのが「クラシック・エアー」というオープンフェイス(ジェット)タイプのヘルメット。こちらは2020年に登場したモデルです。

クラシックなシルエットを実現していることもあって、アライ製品にしては珍しくスネル規格を取得していませんが、スネル規格と同等の3mからの耐貫通テストもクリアしており、安全性は高いレベルにあります。

安全性を確保しながら、スリムなシルエットを実現しているので、クラシックなルックスで頭が大きく見えないのもメリットですが、一番の特徴はエアーという名前にもあるように通気性です。

フロントに吸入口こそありませんが、新開発の“エアフローライナ・ベンチレーション”というシステムを搭載。これは後方に設けたエキゾーストダクトから、ヘルメット内の熱気を排出させるためのベンチレーション機構です。

これはシェルの内側に熱気を抜くための排気口を設け、その穴をつなぐように内部に風の通り道を作り、エキゾーストダクトから熱気を抜くシステム。これによって、シェル外側にはダクトを設けずクラシックなデザインを実現しながら、通気性を確保しています。

さらに、着脱式の内装を採用することで、内装部品を洗濯できるようになりました。元から内装は抗菌・消臭仕様でしたが、洗濯が可能になったことでさらに清潔に使うことができます。

このタイプのヘルメットは、乗っているバイクや服装などに合わせて、スタイルを変えられるのもメリット。筆者は上の写真のようにコンペタイプのシールドを装着して使っていますが、クラシカルなバイザーなども装着できるので、最近流行りのスクランブラータイプのバイクにも似合いそうです。

 

■ツーリングに最適な快適性を実感

スペックからも、かなり期待値の高い「アストロ-GX」と「クラシック・エアー」ですが、実際にかぶって走ってみると、その快適性は期待以上でした。

まず、「アストロ-GX」ですが、かぶる際から従来モデルとの違いが感じられます。アライ製のヘルメットは、安全性を重視しているため、入り口がタイトで着脱の際には結構キツさを感じるものでした。しかし「アストロ-GX」は従来より開口部が前に5mm、左右にも5mmずつ広くした新設計の帽体が採用されています。これも、休憩の際などにヘルメットを着脱する機会の多いツーリング向けの配慮です。

通気性についても、走り出してすぐに違いを感じることができました。筆者は普段、同社製の「RX-7X」をかぶっていますが、こちらも大きめのダクトがあって通気性は高いものの、その効果を感じるためには結構なスピードを出す必要がありました。高速道路などでは効果を感じるものの、ミニサーキットを走っているくらいでは「少し風が入ってきてるかな」という程度の印象だったのが、「アストロ-GX」では街乗り程度の速度域でも効果を実感することができます。

「GTスポイラー」の効果も高速域ではすぐに実感できて、スピードを出しても頭が振られることがありません。これは、高速道路を使った長距離ツーリングではかなり疲労感に違いが出てきそうです。ツーリング向けのモデルではありますが、圧倒的な着脱のしやすさもあって、街乗りや通勤などでの使用にも適しています。今後は「RX-7X」よりも、「アストロ-GX」の出番が多くなりそうだなと感じました。

そして「クラシック・エアー」の快適性にも驚かされました。筆者は同じオープンフェイスタイプの「クラシック・モッド」というモデルも使っていましたが、「クラシック・エアー」はかぶった瞬間から違いが感じられます。内装の感触もさらっとしていて快適。内装が頭に密着している感覚が薄いので、「ちゃんとかぶれているかな」と確認してしまったほどです。

走り出しても通気性の高さは段違い。風が抜けていく感覚はヘルメットをかぶっていない状態に近く、きちんとかぶれているのか再び確認してしまったほどでした。街乗りでウィンドウなどに映る自分の姿を見てみると、予想以上に小顔(小頭?)に見えてカッコいい。これで安全性が高いのですから、クラシックタイプのヘルメットを求めているなら、迷わずこれを選ぶべきと感じました。

*  *  *

安全性に定評があり、それが理由で30年ほどかぶり続けてきましたが、最新モデルをテストすることで、快適性も確実に進化していることが感じられました。アライのヘルメットは値段が高いという声も耳にしますが、命を守るものでもありますし、ツーリングやバイクライフが快適になるのであれば、それだけの価値はあるものだと実感できると思います。

>> アライヘルメット

<取材・文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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