■グラウラーの種類と選び方のポイント
グラウラーは、保冷力の強いものやビールサーバー代わりになるもの、ペットボトルのように手軽に持ち歩けるサイズのものなど多彩な商品が揃っているので、飲むシーンや飲みたい量など使い方や用途に合わせて選んでください。
選ぶうえでの大きなポイントは「保冷力のあり・なし」「注ぎ口のタイプ」「容量」の3点で、保冷力はグラウラーの「素材」や「構造」で決まります。それぞれの使い勝手や特性、メリットをチェックしていきましょう。
【素材】
ボディの素材の主流は、ステンレス製かガラス製です。大きな違いは「保冷力」、「耐久性」、そして「価格」。例えば、キャンプに持って行くなら保冷力のあるステンレス製を、自宅で使うならお手頃なガラス製を選ぶなど、持ち歩く時間や飲む場所を考えてチョイスしてみて。また、BPAフリーや抗菌加工したもの、表面の塗装によりすべりにくくしたものなど、各メーカーが工夫を凝らしているので、ボディ以外の素材にも注目するといいでしょう。
ステンレス
耐久性が高いのがメリット。飲み口が付いたキャップを装着できたり、ビールサーバーのようなコックを付けたりできるモデルもあります。少量から大容量のタイプまで、サイズ展開も豊富。ステンレスにも種類があるので、“特に錆びにくいステンレス素材を使っている”など、各ステンレスの特製も要チェック。
ガラス
炭酸や風味をキープできますが、保冷力が弱いため、自宅の冷蔵庫に入れて保冷します。比較的安価なので、初めてビール専門店で量り売りにチャレンジする人でも導入しやすいでしょう。注意したいのは、落としたら割れる可能性があるほか、ステンレス製より重いこと。アウトドアではなく、自宅で気軽に楽しみたいという“宅飲み派”におすすめです。
【構造】
グラウラーのボディの構造には、ダブルウォール構造とシングルウォール構造があり、保冷力に大きく関わります。ボディの構造以外に、蓋の構造でも炭酸キープ力や保冷力が変わるので、併せてチェックしましょう。
ダブルウォール
現在のグラウラーの主流である、真空断熱二重構造のこと。二重になっている壁の間を真空にすることで、長時間の保冷や保温が可能となり、高い炭酸圧力にも耐えられるように。メーカーによって保冷力が異なるため、最大保冷時間を確認するといいでしょう。結露しないのもメリットです。
シングルウォール
ボディの壁が一重構造のものを指します。保冷力は弱いので、自宅の冷蔵庫に入れやすいスリムなデザインとサイズを選びましょう。
【注ぎ口】
注ぎ口の大きさと形状
注ぎ口は、広い方が使い終わったあとに洗浄しやすく、氷なども入れやすいメリットがあります。グラウラーに直接口をつけて歩きながら飲む場合は、口が狭い方がこぼさずに飲みやすいもの。グラウラーによっては、狭い注ぎ口のキャップをセットできるものもあるので、直飲みのマイボトルとして使う場合は、飲みやすい注ぎ口かどうかも確認しましょう。
インターチェンジャブルシステム
持ち運ぶときは炭酸をキープするキャップで締め、飲むときはCO2(二酸化炭素)の注入が可能な専用キャップに付け替えてビールサーバーとして使える、インターチェンジャブルシステムを採用したモデルもあります。持ち運べるミニビールサーバーとして、キャンプなどの遠出や友人宅でのホームパーティーでも活躍間違いなし。
【容量】
容器内の空気が多くなるほど酸化が進み、ビールの炭酸や風味が抜けやすくなるので、自分が注ぎたい量(飲みきれる量)とぴったりのサイズを選ぶことも大事です。
日常的にビール店での量り売りビールを購入する場合は、1L前後(350ml缶ビールでおよそ3本分)~1.9L(350ml缶ビールでおよそ6本分)のグラウラーを利用する人が多いそう。1人でちょい飲みするなら、350ml前後のミニサイズをチョイス。キャンプやホームパーティーなど人数が集まる時は、3.8L前後など、大容量サイズを選ぶと場が盛り上がります。
ドリンクの単位
アメリカ生まれのグラウラーには、日本ではあまりなじみのない単位が表記されていることも多いので、読み方やリットルの換算量を知っておくと感覚をつかめるでしょう。液量の単位であるoz(オンス)とgal(ガロン)は、アメリカとイギリスで液量が異なり、日本ではアメリカの単位を採用しています。
1oz=約29.6ml
1gal=128oz=約3800ml
ちなみに、ビアパブなどで見かける単位のパイント(pt)は、米パイントだと1パイント=473ml、英パイントだと568mlです。