クラフトビールってどう持ち帰る?クラフトビールの頼み方とグラウラーの使い方

■そもそもグラウラーとは

グラウラーとは、炭酸飲料を入れられる容器のこと。通常の水筒と違って、長時間炭酸をキープできます。アメリカなど、ビールの量り売りが一般的な国ではメジャーなアイテム。洗って何度もリユースできて、缶や瓶などのゴミを発生させないので、サステナブルな存在として注目を集めています。

▲左から、Liquor Shop NIGHT OWL「ガラス製オリジナルグラウラー」、REVOMAX「9oz (266ml)」、タイガー魔法瓶「真空断熱炭酸ボトル MTA-T050」、MiiR「32oz Howler」、STANLEY「クラシック真空グロウラー 1.9L(炭酸対応)」、DrinkTanks「Craft 128 oz(3.8L)Growler」※ケグキャップはオプション

グラウラーのサイズや機能は驚くほどたくさん出揃っているので、どんなグラウラーが自分に合うか見極めてからチョイスするといいでしょう。注目すべきは、「保冷力」「容量」「注ぎ口」の3点です。

「保冷」の持続時間は、まったくないものから6時間程度のもの、45時間キープできるものなど、かなりの差があるので、店から家まで持ち運ぶだけの場合や、キャンプで冷え冷えビールをずっと楽しみたい場合など、シーンに合わせて選ぶといいでしょう。

「容量」は、ひとりで飲むのか、大人数で飲むのか、1回でどれだけ飲みきれるか、などを考慮して、最適なサイズをチョイスしましょう。

「注ぎ口」の形も要チェック。口径が広いと使い終わったあとに洗浄しやすく、氷などを入れられるメリットも。グラウラーに直接口をつけて歩きながら飲む場合は注ぎ口が狭いタイプがおすすめ。CO2(二酸化炭素)を注入できる加圧式のタイプであればビアサーバーのように使えるので、宴会が断然盛り上がります!

■ビールの頼み方から注ぎ方までの疑問を解消!

クラフトビールをグラウラーに入れてテイクアウトできるのは、量り売りに対応している「酒販店(酒屋)」か、ビアバーやブルワリー併設のテイスティングバーなどの「飲食店」のどちらかになります(ただし、ビアバーの場合は、酒販免許を取得済みかつ、飲食提供用とは別の量り売り用サーバーを用意して、在庫と販売スペースも分けている場合のみ。ブルワリー併設のテイスティングバーの場合は、国税局の許可を得ており、飲食提供用のサーバーから自社の銘柄のみを量り売りする場合に限ります)。

どんなふうにビールを注文し、持ち帰ってからどう楽しめばいいかなど、「Liquor Shop NIGHT OWL(リカーショップ ナイトオウル)」の小菅一範さんに、グラウラーとの上手な付き合い方を教えてもらいました。

小菅一範(こすげ かずのり)さん
2014年、恵比寿にてグラウラー・ショップ(量り売り酒屋)「Liquor Shop NIGHT OWL」を開業。ビールはもちろん、ワインやハードリカーの造詣も深く、各種メディアにて酒類全般の解説を行っている。本業はナレーターで、DDTプロレスリングのリングアナウンサーとしても活躍する美声の持ち主

■お店での疑問編

Q どんなグラウラーを持って行っても大丈夫?
A お店によるので事前に問い合わせましょう

グラウラーの対応は、お店によってだいぶ異なります。そのお店専用の容器でないとNG、事前に洗浄したボトルしか受け付けないなど、お店によってルールがあるので、事前に必ず確認しましょう。「Liquor Shop NIGHT OWL」では、どのメーカーのグラウラーでもOK。スタッフがしっかり洗浄してからビールを注ぎます。

▲左から、DrinkTanks「Session 32oz(0.94L)」(6490円)、Liquor Shop NIGHT OWL「ガラス製オリジナルグラウラー(750ml)」(770円)、GrowlerWerks「UKEG(64oz/1.89L)」(3万9600円)、FLSK「FLSK BOTTLE(500ml)」(5390円)

ちなみに、購入するビールの量に合わせてグラウラーを用意するのも大事なポイント。基本はグラウラーいっぱいにビールを満たすので、飲みきれる量のグラウラーを用意しましょう。量り売りに対応している大抵のお店はグラウラーを販売しているので、まだグラウラーを持っていない人は、よく行くショップで相談し、自分に合うグラウラーを教えてもらってから導入するのも手。

Q グラウラーでテイクアウトする場合どうやって注文すればいい?
A ビールの銘柄と容量を伝えればOK

グラウラーをスタッフに渡し、買いたいビールの銘柄と容量を伝えればOK。ただし、お店によっては容器いっぱいに入れての販売のみの場合もあるので、行きたいお店でできることを確認しよう。

Q グラウラー向きのビールはある?
A 泡立ちすぎないビールがおすすめ

▲左から、宮下酒造「独歩ビール ピーチピルス」、BELCHING BEAVER「Tropical Terps」、Mikkeller「黒 BA:GRAND MARNIER」※取材時のラインナップです

ガスのボリュームが高くて泡立ちすぎるビールはグラウラーに注ぎづらいため、あまりおすすめできません。また、缶や瓶にパッケージングされた市販品より樽生ビールの方がビール本来の風味があるので、特にフルーティなタイプや香りのよい銘柄の樽生ビールは、風味を逃しにくいグラウラーで楽しむ価値が十二分にあります。缶などにはパッケージングされていない、ちょっとレアな銘柄を楽しむのもおすすめです。

宮下酒造「独歩ビール ピーチピルス」230円/100ml:ドイツタイプの地ビールを醸造する岡山のブルワリーが、ホップ香と苦味の効いたピルスナーに岡山県産の桃の天然果汁をプラス。麦の甘みと桃の甘い香りが口いっぱいに広がります。

BELCHING BEAVER(ベルッチングビーバー)「Tropical Terps(トロピカル タープス)」350円/100ml:アメリカ・カリフォルニア州のブルワリーによる、植物から抽出した香り成分“テルペン”を使ったフルーティーな香りのIPA。マンゴーやレモンなどのトロピカルなフレーバーが匂い立ち、のど越し良くスルッと飲めます。

Mikkeller(ミッケラー)「黒 BA:GRAND MARNIER(クロ バレルエイジド グランマルニエ)」500円/100ml:クラフトビール界のパイオニアとも評されるデンマーク発のブルワリーが、レアな黒ビール「インペリアルスタウト」をフランスのオレンジリキュール「グランマルニエ」の樽で寝かせた至極のビール。ナイトオウルでは、樽詰めされたものをさらに熟成させ、製造より約10年間も寝かせています。濃厚で味わい深く、とろりと舌を魅了する熟成の妙に感動必至!

Q 持ち帰るときに注意したい点はある?
A 生鮮食品と同じと考えて

グラウラーに入れたクラフトビールや、缶や瓶にパッケージングされたクラフトビールは、“生鮮食品”として扱いましょう。保冷効果のあるグラウラーであれば、持ち歩き時間を気にしなくても大丈夫ですが、ガラス製グラウラーの場合は冷たいうちに持ち帰り、なるべく早く冷蔵庫で冷やしましょう。移動後は、最低でも30分~1時間(できれば24時間、理想は48時間)ほど冷蔵庫に置いて、ビールを落ち着かせましょう。

【次ページ】テイクアウト後や自分でグラウラーにビールを入れる際の疑問も解消!

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