さて、私たちが「ギリシャ料理」と聞いて思い浮かべるのは、「ムサカ」ではないでしょうか? 日本でもムサカを食べられる店はありますが、ギリシャで本場のムサカを食べるのを楽しみにしていました。ところが、なかなかムサカと出合えません。滞在6日目、ようやく、アテネのレストランでムサカが出てきました。
「ムサカ - moussakas」は、挽肉、ナス、ジャガイモなどをオーブンで重ね焼きしたものです。このムサカには、チーズも入っていました。ラザニアにも似ています。見ての通りオイリーで、ボリュームたっぷり!でも、おいしい!スパイスも効いています。
ガッツリとボリューミーだけど、しっとりしたテクスチャーのムサカには、クシノマヴロ(Xinomavro)の若い赤ワインがオススメ。
※ギリシャのワインについては、前回の記事をご参照ください。
■まるでロールキャベツのような「ドルマ」
ムサカと来たら、ギリシャの「ドルマ」(dolmadaki/dolmades)も必食!
挽肉やみじん切り野菜などの具を丸め、塩漬けしたブドウの葉で包み、蒸し煮にした料理です。外見はロールキャベツによく似ています。
上のドルマの具は、挽肉にお米も混ぜられていました。ブドウの葉ではなく、キャベツやレタスなどの葉野菜を使って包んだものもあり、中に入れる具材のバリエーションも色々とあるようです。
そういえば、ロールキャベツにも、コンソメ、トマトソース、クリームソースなどのバリエーションがありますが、ドルマも同じなのかもしれませんね。
■土地土地の特産品を活かした絶品料理
近年のギリシャ料理は“地域性”を重視している、と冒頭で書きましたが、その土地ならではの料理は、やっぱりいいですね。
例えば、サントリーニ島は島なので魚介料理が得意ですが、トマトや豆の生産地としても有名なんです。特に「Santorinian fava」(ファヴァ)と呼ばれる豆はよく知られていて、茹でで潰しペースト状にして食べることが多いそうです。
サントリーニ島のレストランでは、甘酸っぱい赤ワインソースをかけたファヴァのムースが前菜として出てきました。
島や海に近い土地ではシーフードを使った料理が多く、カジュアルなレストランで前菜としてドーンと大皿で出されるタコ、イカ、エビ、小魚などの唐揚げやマリネはおいしい。
調理方法もシンプルで、素材のおいしさが活かされています。大皿に盛られた料理を、大勢でワイワイと食べます。
シーフード系の料理で私が特に気に入ったのは、サントリーニ島のシーフードのクスクス。粒が大き目のクスクスが魚介のうまみをたっぷり吸い取り、むっちりとして本当に美味。
魚介出汁のトマトソースがよく滲み込んだ、お米の形のパスタOrzo(オルゾ)は、サントリーニ島でもアテネのレストランでも出されました、これもおいしかった!
見た目はちょっと大きめのお米ですが、パスタならではの弾力があり、もちっとしています。家でも作りたいと、乾燥パスタとして袋売りされているものをアテネのスーパーで買ってきました。