■音と光を自分でカスタマイズ
「Glyph Composer」はオリジナルの着信音を作成できるアプリ。音に連動して光り方も変わります。ドレミ音階のキーボードではなく、ドラムパッドのような画面をタップして作曲する仕組み。音楽センスが問われるかと思いきや、遊んでいる感覚でいい感じのメロディーができたりしました。
背面のライトは他の用途にも使えます。充電時には充電の進捗がわかります。タイマーを設定して、時間の経過が直感的にわかる機能も追加されました。特定のアプリや連絡先からの通知だけがわかる「Essential通知」という機能も追加。スマホの画面が見えないように裏向きに置いても、大切な情報だけはキャッチできるというわけです。
さらに、サードパーティーのアプリにも対応。筆者はまだ試していませんが、例えば「Uber Eats」で注文した際に、商品の到達状況がライトでわかるそう。今後、対応アプリが増えることも期待できるでしょう。
■使う楽しさが増す新しいホーム画面
Nothing Phoneは、Androidをベースにした「Nothing OS」という独自OSを採用。一般的なAndroid端末とは異なる画面デザインや操作性にカスタマイズされているわけです。Phone(2)では、OSのバーションが「Nothing OS 2.0」になり、画面のかっこよさも格段に向上しています。
まず、ホーム画面のアイコンをモノクロで表示できるようになりました。プリセットされているアプリではGoogleの「デバイスを探す」アプリを除いて、全てがモノクロに。自分で追加したアプリのアイコンのほとんどは本来の色で表示されますが、「Twitter」「LinkdIn」などモノクロ化するアプリもありました。
豊富なウィジェットでホーム画面をカスタマイズできるのも魅力。細かく比較したわけではないですが、Nothing独自のウィジェットもバリエーションも増えたようで、モノクロ調のホーム画面を生かすカスタマイズを楽しめます。
■基本性能も着実にアップデート
パフォーマンスやカメラ、バッテリーライフなどの基本性能もPhone(1)からアップデートされています。
プロセッサーにはハイエンド向けの「Snapdragon 8+ Gen1」を採用。前モデルはミッドレンジ向けの「Snapdragon 778G+」で、それでもストレスなく操作できましたが、Phone(2)ではグラフィックに凝ったゲームやマルチタスク作業もスムーズに行えること請け合い。
リアカメラは、前モデルと同じメイン(50メガピクセル/F1.88)+超広角(50メガピクセル/F2.2)のデュアルカメラ。ただし、メインカメラのイメージセンサーがソニー製の「IMX766」から新しい「IMX890」に置き換わり、さらに、ソフトウェアの進化によって、画質の向上も図られているのこと。実際に撮影してみると、コントラストが強めで、鮮やかな色で写るように感じました。
動画は最大4K/60fpsで撮影可能。新たに、動く被写体に適した「Action Mode」が追加されました。筆者は1080pでの撮影しか試していませんが、静止画と同じように鮮やかな色で撮影できました。
フロントカメラは32メガピクセル/F2.45。前モデルの16メガピクセル/F2.45から進化し、画質の明るさが増した印象。背景をぼかしたり、肌のキメを補正したりもできるので、自撮りを楽しみたい人も満足できるでしょう。
バッテリー容量は、前モデルの4500mAhから4700mAhに微増。1日は余裕で使える容量で、筆者が試用した印象では、フツーの使い方なら2日は持つのではないかと感じました。前モデルよりも急速充電が速くなり、約55分でフル充電できるようになったことも魅力。ワイヤレス充電に対応し、Nothingのイヤホンなど、ワイヤレス充電に対応するデバイスに給電できる機能も備えています。
セキュリティロックは指紋認証と顔認証に対応。内蔵スピーカーはステレオで、音質・音量ともに満足できるレベル。ただし、NFCは搭載していますが、おサイフケータイには非対応。防塵・防水の等級がIP54と低めであることには妥協する必要があります。
■iPhoneユーザーも検討の価値アリ
前モデルのNothing Phone(1)は、洗練されたデザインが支持されて、世界で80万台に達するヒットを記録したそう。Nothing Technologyによると「日本は上位5つのマーケットに入り、Phone(1)の購入者の50%以上がiPhoneからの乗り換えだった」とのこと。Phone(2)は、前モデルで評価されたデザインに磨きをかけて、パフォーマンスやカメラなどの基本性能を着実にバージョンアップさせた端末という印象です。Androidユーザーはもちろん、いまiPhoneを使っている人も、このデザインが気になるのであれば、お店で実機に触れてみることをおすすめします。
>> Nothing
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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