ロールスロイス初の量産EV「スペクター」に乗ることができました。すごい性能、とひとことで表現したくなる2ドアクーペ。試乗場所は、2023年7月の米ナパバレーです。
ピュア電気自動車(BEV=バッテリー駆動のEV)の面白さはどこにあるでしょうか。私は、各ブランドが、エンジン車から続く、自社の個性を表現しようとしているところだと思っています。
今回のスペクターも同様です。大容量バッテリーと、前後のモーターによる全輪駆動。出力は430kW、最大トルクは900Nm。満充電での航続距離は530kmに達します。
しかし、「電気で走るより、ロールスロイスであることが開発の最優先課題でした」と、ロールスロイス・モーターカーズのトルステン・ミュラー=エトヴェシュCEOはナパの試乗会場で語っていました。
つまり、まったく新しいプラットフォームを用いながら、これまでのファントムやゴーストといった12気筒搭載のロールスロイス車と同様の操縦性を追求したのが、スペクターだというのです。
【次ページ】電気モーターでありながらV12気筒モデルのような操縦性▶
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