ハンドルを展開するとフルサイズのプライヤーが露出します。ワイヤーカッターは交換式ではありませんが、十分な強度があり、かなり使えそう。プライヤー内部にバネが入っていて掴んだり放したりするのが楽ですね。
先端のニードルプライヤーは標準的な厚みですが、先端まで滑り止めの溝がしっかりと切られているので細かいものを掴みやすく、作業しやすい。また、バネが内蔵されているので力がかけやすく、作業効率はかなり良いです。
メインのナイフ、のこぎり、波刃、ヤスリはすべてハンドルの外側にあり、容易に展開できます。ハンドルが分厚いのでワンハンドオープンは難しいですが、すべてのツールにロック機能があり安心して使えます。切る仕事をするツールは、すべて厚みが2mm以上、素材はすべて高品質な30Cr13ステンレス鋼で作られています。HRC56の硬度まで熱処理加工された切れ味と耐腐食性を両立したスペックを持っています。
ツールを収納する際は、ハンドル外側の中央付近にあるロックマークのあるレバーを押しながら畳みます。ナイフなどに限らずハンドル外側にある全てのツールにこのロックシステムが反映されています。これ実はかなり稀。多くのメーカーでは、ナイフやのこぎりなど、一部のツールのみに適応されているものが多いのですが、「SK01」のように全てのツールにロックがかかるモデルは見たことがありません。
のこぎりは厚めの刃なので安心して使えます。厚みのあるので角材を切る際はマージンにご注意を。
ヤスリはわりと細かい仕上げ用といった感じです。もう少し粗い方が作業効率は良いかな?と感じました。
ヤスリの反対側はセンチスケールになっています。7cmまで刻んでいるので実用性は高いですね。
切る仕事以外のツールは4種類
波刃側に缶切り、キリ、ボトルオープナー、大小マイナスドライバー、ヤスリ側に付属ビットを装填可能なドライバーソケットを備えています。
ドライバービットは4個8種を装備。
ビットソケットとビットの適合感はまずまず良好。激しく振らないかぎり自重で落下するような感じではありません。ビットはマイナスやトルクス(星型)の他にプラスドライバーのサイズが揃っているのにかなり好感が持てます。日本での使い勝手はかなり良いでしょう。
一番感心したのが、L字に折った状態でドライバーソケットが固定されること。他のロック付きのマルチツールでも、この角度でしっかりとロックがかかるモデルはありません。これは秀逸。強いトルクをかけたい時に役立ちます。
ビットキットはケース内ポケットに収納可能。失くす心配がありません。実際に使用する際、このケースを腰にぶら下げるとかなり重量感を感じます。日常的に携行したり、登山などに持ち出すには少しためらう重さとサイズ感です。
しかし、21ツールという十分な機能とスタイリッシュなデザインは魅力的。ホームツールとしてはオススメです。必要とする機能を備えていないのにアウトドア系を気取ったモデルよりも、いっそこれくらいカッコつけたマルチツールも良いんじゃないでしょうか? とにかくこのモデルのロックシステムは特筆すべき使いやすさです。他人とはひと味違ったマルチツールを持ちたい人にオススメのモデルです。
<取材・文/GOL>
GOL|現在、東京近郊の山村と都会で二拠点生活をしています。ライター業がメインですが、地方の魅力発信にも力を入れています。実地でのレビューがしやすい環境を活かしてアイテムを紹介していきます。
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