■エンジンと変速機は現在の基準に合わせた仕様に
ナナマルのデビューは、1984年。以来、世界各地で販売が続けられているロングセラーです。日本国内では、2004年でいったん販売が打ち切られましたが、2014年に10カ月限定で販売したところ好評。
今回、現在の基準に合わせるべく、衝突安全性を考慮したフロントとリアをはじめ、尿素によるクリーン化を図った2.8リッターディーゼルエンジン、それにオートマチック変速機を備え、堂々の日本市場へのリターンとなりました。
フロント部分は、厚みを増したため、かえってラギッド感(オフロード感)が強くなり、そこにLEDを使った丸型ヘッドランプと、40系(1960−84年)にさかのぼるグリル上の細長いエアインテークのモチーフを採用。
このグリルとその上のエアインテークは、同時発表されたランドクルーザー250とも共通のモチーフ。
「世界中に根強いファンの方がいるクルマでぜひ継続販売してほしい、という声に押され、改良を施しての発売となります」
担当の小鑓貞嘉(こやり・さだよし)氏の説明です。
小鑓氏は、ランクルのチーフエンジニアを務めてきたかた。現在は、トヨタ自動車MS(ミッドサイズビークル)で製品企画を担当中。
「今回のナナマルは、リアサスペンションのリーフスプリングを日本仕様にしています。快適性を重視したからです。2014年の限定発売時はマニュアル変速機でしたが、マーケットが限られてしまうので、今回は、オートマチック変速機を用意しました」
■今回のナナマルは3ナンバー
さらに、今回のナナマルは、「1ナンバー」でなく「3ナンバー」で販売されるそうです。
1ナンバーには税制などでメリットがある一方で、高速通行料金の割引や毎年車検など、使い勝手上ややめんどうな部分もあるので、割り切ったということです。
日本仕様のナナマルは、オプションなしのモノグレード。選べるのは車体色だけとか。オプションだった電動デフロックも標準装備です。「前回たいていのユーザーが選んだから(標準装備として採用)」と小鑓氏。
ボディはワゴンタイプのみで、ピックアップは日本では販売されません。発売時期は未定ですが、「できれば2023年中に」と小鑓氏は言います。価格も未定だそう。いまから予約のためにディーラーへと駆けつけたくなるクルマです。
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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