■中綿はリサイクル素材のCloudloft
ご存じの通り、ケルティはディック・ケルティが生んだアメリカのブランドで、自然環境に恵まれたコロラド州を本拠地としています。コロラドは電力供給を再生可能エネルギーにするなど、アメリカでも環境意識の高い州。「TRU コンフォート ダブル ワイド 20℉/-7℃」の中綿は100%リサイクル素材のポリエステル“Cozy Cloudloft”を採用しています。
生地はしなやかなポリエステルタフタ。シャカシャカ音を抑えていて、静かに眠れます。
対応する温度は-7℃まで。秋冬キャンプも安心して使えます。
さすがに真夏のキャンプには厳しいものがありますが、ブランケットやベンチレーターの開閉を利用すればかなり長いシーズン利用できるでしょう。
寝袋のフードには、トレーラーハウスをあしらったロゴがプリントされています。
アメリカのトレーラーハウスやバンはなかなかのサイズなので、いくら少し幅が抑えられているといっても日本のミニバンには合わないのか?
ステップワゴンに載せてみたらちょうどいい! 下に敷いているのは幅100cmのマットで、両側ははみ出ていますが中にふたり潜り込むことを考えればちょうどいい感じになります。
今回試したのはステップワゴンですが、FFヒーター搭載車であればここまでの保温力は不要なので、0〜5℃対応くらいのモデルがあってもいいのかも。
■ファスナーと両開きのブランケットに注目
一般的なワイドタイプ寝袋は、封筒型寝袋の幅を広げた形。ファスナーはL型に伸びていて、寝袋内の温度調節はファスナーの開閉のみ。
「TRU コンフォート ダブル ワイド 20℉/-7℃」はメインのファスナーがU型に伸びていて、左右からも開けます。
車中泊用のワイドな封筒型寝袋よりややワイドなサイズ感。
ファスナーは寝袋の端ではなく、寝袋の上面に伸びています。よく見ると中央部分に金具があり、ここから両側に開くという仕組み。
寝袋のファスナーを全開にすると、ブランケットが内蔵されていることがわかります。よくあるレイヤーシステムの寝袋だと取り外して単独で使えますが、右側のブランケットは寝袋の右側、左側ブランケットは寝袋の左側に固定されています。
ブランケットを単独で使えないと聞けばデメリットのように思えますが、そうではありません。
ブランケットは真ん中から開くので、不要なら自分の分だけ端に押しやったり外側にはみ出させるなんてこともOK。とにかく細かく自分が心地よく眠れるようカスタムできるというわけ。
レイヤーシステムの寝袋ではこうはいきません。
各ファスナーにはそれぞれタブがふたつ付いているので、片側だけガバッと開く、もう片側は閉じたまま足もとだけ開くなんてことも可能。
もちろん上面をすっぽり外して、ブランケットだけで眠るなんてこともできますよ。
ファスナーが上面と下面の境になくてもそうそう困ることはないのですが、唯一、中に入ってしまったゴミを払いにくいのが不満。子どもたちが食べこぼしたスナック、フリースジャケットに付着した草や砂が寝袋内に入っても、足もとも両側もフチができちゃうのでちゃんとひっくり返さないといけないんです。
ブランケットの中央はファスナーやスナップボタンなどは付いていません。そのかわりたっぷり重なっていて、寝袋の上面なしでブランケットだけで眠るようなときでもしっかり体をくるんでくれます。
フードも大きくてふかふか。大きめの枕を入れても余裕がありそう。
決してコンパクトな収納サイズではありませんが、封筒型寝袋をふたつ並べるよりも省スペース。
一般的なワイドサイズの封筒型寝袋のように、ふたつの寝袋として使うことはできません。けれどもワイドサイズを購入するユーザーが、分割して単独で使う頻度はどれほどあるのでしょう。
そう考えると「TRU コンフォート ダブル ワイド 20℉/-7℃」は長いシーズン使えるし、各自のコンディションにあわせて温度を微調整できるので、なかなかオトクな袋と言えるでしょう。
>> アリガインターナショナル
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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