高硬度な焼入れは刃の先端部のみに行い、ブレード本体はしなる特殊加工。刃先の耐摩耗性の向上とブレード自体の丈夫さを両立しています。
また、ブレード全体に防錆メッキを施すことで、錆びづらくなるだけでなく滑りやすくなり、ヤニや木くずが付きづらくスムーズに切断できます。また、先端部は尖って無いので衣服などに刺さり難く安全面も考慮されています。
草木の剪定をする場合、枝ぶりや障害物で思うようにベストな角度から刃を入れられない時があります。しかし、これなら比較的いい加減な角度から刃をあててもスルスルと切れます。
枝木の場合、切断面がスムースな方が病気にかかりづらいなどのメリットがあります。もちろん、木工製品の仕上がりも切断面がきれいな方が後のヤスリがけも楽になるでしょう。
ハンドル基部にあるリングレバーを押し上げるとブレードを外せて、刃の交換が簡単かつ素早く行えます。このリングレバーの動きや触感も良好で、しっかりとブレードが固定された感覚を指先で感じられます。強い力も要らないので女性でも扱いやすいと思います。
交換ブレードはカーブの他にストレートや竹挽(竹を切る専用)などバリエーションがあり、用途に応じてブレードのみを交換可能です。
ステンレスの本体を包み込むように滑り止めのラバーグリップを装備しています。ピストル型のカーブを描いた形状は、握りやすく力をかけやすいデザイン。ラバーは厚めで指をかけやすい凹凸があり、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。
そして製品名「ガンファイター」の所以だと思われるのが、シース(鞘、いわゆるケース)のロック機能。
正直、グリップよりもこちらに惹かれました。他社のシースにもロック機能が付いたものは多いのですが、ここまでカッチりとした感触が指先に伝わるモデルは少ないかもしれません。樹脂製のホルスターにハンドガンを収める時のような感触が、男心をくすぐります。
ノコギリをリリースする時は、着脱式のベルトに設けられたフィンガーポジションに親指を置き、下に向かって押すことで引き抜けます。片方の手でシースを押さえる必要はなく、グリップを持った手だけでリリース&インサート。はしごや脚立に登った状態で枝打ちをする時は、片手で作業できたほうが安全ですよね。
またこのシースには、ロック機能以外にもさまざまな工夫が施されています。
第一に、腰だけでなく脚に装着できるレッグホルダー。ストラップを使うことで脚に巻きつけられます。
第二に、利き手を選ばないユニバーサルなデザイン。左につけてもハンドルグリップが逆さまになることはありません。
第三に、着脱式のゴム製ベルトループ。ループは幅広で、通常のベルトから安全帯などの幅広ベルトにも対応します。また、ベルトループはシース本体から分離が可能なので、車に乗る時など邪魔になるシーンでは外せます。
第四に、異物や水気が溜まりにくい先端部。シースの先端部は開いており、ゴミや水が溜まらない構造になっています。
細かい工夫ですが、非常に気の利いたデザインです。
実用面を考慮したさまざまな工夫と男心をくすぐるデザインを両立させた「GUN-FIGHTER CURVE」。庭木の手入れからDIYに至るまでユーザーをやる気にさせてくれるノコギリです。
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<取材・文/GOL>
GOL|現在、東京近郊の山村と都会で二拠点生活をしています。ライター業がメインですが、地方の魅力発信にも力を入れています。実地でのレビューがしやすい環境を活かしてアイテムを紹介していきます。
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